大草原の『小さな家の料理の本』

  何故か急に「大草原の小さな家」のことを思い出した。「大草原の小さな家」といえば、実に美味しそうな料理、菓子、飲み物の描写が印象深い。今あれを読んだら、あの時のように美味しそうだと思うのだろうか? 特に私のお気に入りだったバニティ・ケーキは一体何だったのか? 誰か料理の再現やレシピを出してないかなーと思って調べたら、この本がヒットした。

 当時は全くわかっていなかったが、これは「飢えが身近なものである」人達の物語だったのだな。ローラ達は町の子に比べると貧しいようだという印象はあったものの、それは自給自足が原則の生活をローラ達家族が送っていたからだったのだ。

 材料や作り方を見ると、ラードやバターやミルクがふんだんに出てくるので、胸焼けを起こしそうになるが、引用された小説の一説を見るとやっぱり美味しそうなのだった。そして、どうして米国の料理が高脂肪のものが多いのか、アップルパイが母の味になっているのか、期せずして米国の歴史に一部触れたような気がする。食べられる物は何一つ無駄にできないこと、貯蔵が大切であること、激しい肉体労働の多い開拓民の生活では高脂肪食でも肥満の問題には繋がらなかったのであろうこと、色々腑に落ちた。

 しかし日本人の先祖は、こんな高脂肪食を取らなくても激しい肉体労働に従事していたわけで。御先祖、どれだけコスパの良い体だったんだよ……。そりゃあ少々のカロリー摂り過ぎで糖尿病発症するわけだわ。これまた妙に腑に落ちる。

大草原の『小さな家の料理の本』 ローラ・インガルス一家の物語から

大草原の『小さな家の料理の本』 ローラ・インガルス一家の物語から