昨年(2025年)にNHKで放映していたドラマ「シバのおきて」の原作本と聞いて、正月休みの楽しみとして借りておいた。「シバのおきて」は仕事帰りの朦朧とした頭*1で車内で音声だけ部分的に聞いていた。結局どんな話なのか全然知らないのだけど、雑誌「Shi-ba」に関するノンフィクションだと聞いて食指が動いた。
2000年代のブラックな働き方とか言葉の乱暴なありがち上司とか、読み始めると何だか懐かしい雰囲気が甦ってくる。そうそう、特に出版関係は激務で着替えて寝る以外はほとんど編集部にいるイメージだった(何人か知り合いが出版社で働いていた)。皆カラダかココロ、あるいは両方壊してたな。
「犬のことは犬に訊け」というスタンスとか、獣医師監修の健康記事とか同意できることは沢山あるし、マタギ特集とか今でも読みたくなるトピックも多いのだけど、どうして柴犬にコスプレさせようと思ったのか、どうしてもわからないし同意もできない。あの神経質で狭量な犬にそんなことをさせるのは、大分犬は苦痛だったと思うのだけど……。編集部員の飼い犬(柴犬)たちがたまたま鷹揚なレア柴犬だったのかと思っていたら、編集長の柴犬は編集部がすっかり嫌いになってしまっていたそうで、編集部の方角に向かうだけで嫌がって鳴いていたらしい。やっぱり嫌がってたんじゃん! 何かイイ話っぽく書いているけど、やっぱり負担は大きいよな、だって柴犬だもの。
柴犬カフェとか柴犬に噛まれて問題犬扱いする人とか、柴犬の性質をよく知らないと思われる色々の背景に、この雑誌があったんじゃないかとすら思ってしまった。90年代-2010年代の日本のペット事情の変化とか興味深い話も多いんだけど、柴犬虐待と言われても仕方ない話だなーと複雑な思いで読了。あと、自覚していた以上に私は「柴犬=噛む」の図式が脳内に確立しているのだと今回初めて気がついた。「シバのおきて」の映像を見る機会があった時に、『ありがとね、福ちゃん(編集長の飼い犬で、はいりの犬ではない)』と声をかけておもむろに犬を撫でた片桐はいりを見て、(噛まれるぞ!)と反射的に思ったし。
ところで、犬のコスプレって何が楽しかったり面白かったりするんですかね。私は未だに物凄く気持ち悪いというかグロテスクに感じてしまって全然馴染まない。私自身は犬を屋内飼いだし寒い日は服着せて散歩させ、調子を崩せばすぐ受診、ドッグランやら連れていく乳母日傘な犬の飼い方をしている。しかし子どもの頃の犬とのふれあい*2は今も私の犬観に色濃く影響を及ぼしていると思う。恐るべし。