可愛いの権化

 犬の散歩をしていたら、オフリードのトイプードルが寄ってきた。それで初めて、トイプードルを間近に見て触れる機会を得た。なんか凄く可愛かった。真っ黒の丸い目にふわふわモコモコの毛皮、トコトコ走ってきて、私の犬と私に愛嬌を振りまくのである*1。まさに生けるぬいぐるみと言っても過言ではない。こんな犬がいるのか、とびっくりした。

 私の犬は雑種で、何が入っているんだかよくわからない感じの犬である。でも、そんなものだと思っていた。実家の犬は代々謎の雑種か柴犬で、近所で飼われている犬も大体そんな感じ。自分で犬を飼うようになっても、小型犬とはあまり接点がなかった。近所に小型の愛玩犬は多いのだけど、ギャンギャン鳴くので向こうの飼い主が遠ざけたり、私達に気がつくと向こうは自分の犬をサッと抱き上げてしまったりで、間近に見る機会は意外と無い。

 自分の犬は可愛いと思ってきたが、この陽気なトイプーの可愛さに思わず唸る。愛玩犬の可愛さは並ではない。さすが100年以上かけて可愛さを追及されてきただけあるわ……と何だか感心してしまった。

*1:私の犬は静かに挨拶を交わしていた。