二日目

散歩デビュー

 犬は散歩を怖がる。山奥の保護センターで大部屋暮らし、散歩といえば長閑な土の上をせいぜい十数分歩く程度だったので仕方のないことだと思う。しかし、犬には散歩の喜びに目覚めていただきたい。散歩は充実した疲労感を得られるし、犬の世界も広がる。何より、私が犬と一緒に歩きたい。冬には20kmくらい歩きたい。なのでこの3か月の間に、散歩を楽しみにするようになっていただきたい。

 「不安も恐怖も20分以降は慣れで低下する」という言説を踏まえ、夜明けに犬を連れて1時間くらい歩いた。最初はややウロウロしていたものの、15分くらいで私に歩調を合わせて歩けるようになる。しかしにおいもあまり嗅がず、特に楽しそうではない。まあそのうち、ぼちぼち。

破壊神(小物)

 犬は自分の居住空間から私を見張っている。私が近づくと逃げる。トイレの始末をしていると寄って来るが、私が顔を上げると逃げる。私の姿が見えなくなると、私の居住スペースと犬の居住スペースの境界に来て、私の居住スペースを見ているが、私が戻ってくると逃げる。

 私がいてもいなくてもまあ大丈夫かな、と思い、車で90分くらい買い物に出かけた。帰ってくると、犬のスペースのカーテンが一部取れ、部屋の中が見えている。慌てて家に入ると、窓に肉球の跡がばんばんついている。どうも窓に張りついていたらしい。その過程で、カーテンを爪に引っかけて破ったり、カーテンを食いちぎったらしい。カーペットタイルも一部食いちぎられていた。とりあえず誤飲はなさそうだけど、ウーム……。昨日20分程度留守番させた時は何もなかったし、昨夜も大人しかったので油断していた。留守番は最終的に7-8時間できるようになってもらう必要が出てくるので、これからどうなるのか少々心配。

なかなか難しい

 犬は私が帰ってからも窓に手をついて外を見たがった。そこで、窓が傷つかないよう爪とぎシートをサッシに貼り、カーテンを少し開けて犬が外を見られるようにした。ところが、そのような環境設定にしたらウロウロと落ち着かなくなり、ケージに籠って昼寝をし始めた。外は見たいが、カーテンが開いていると落ち着かないんだろうなあ。ケージに入る時間が長くなったので結果オーライということで。