SAKANAQUARIUM 2015-2016 "NF Records launch tour" -LIVE at NIPPON BUDOKAN 2015.10.27-

 4月に配信した映像の再配信だった*1。今回は最初から見られたし、GOCOO+GoRoとコラボした「sakanatribe」は脳が真っ赤になって酒を盛大にこぼして慌てたりもしたが、楽しかった。

 ライヴの映像作品は一度聴くと満足してしまって聴かないので、極力買わないようにしているのだけど*2、2回目見ても面白かった。チャットで色々な人のコメントを見ながら映像を見るのがいいんだろうな。私はサカナクションのインタビュー記事を読んだことが無いので、知らない小ネタが沢山ある。「ファンの御約束」や名物ファンを見られるのも面白い。

 配信終了後はインスタに移動し、山口一郎のライヴ解説を聞く。これが物凄く面白かった。観客の立場で体験している出来事を、奏者がどのように捉えているのかを聞くと、出来事の捉え方が膨らむ。セットリストを提示してライヴのどこを説明しているのかオリエンテーションしつつ、楽曲のアルバムバージョンとライヴバージョンを比較提示して解説するという贅沢仕様。結構酔っ払って聴いていたので、聴き比べが十分にできないのが勿体無かった。場を上げていくところなので、アルバムバージョンよりも曲のBPMを上げる(前の曲からBPMを落とさない・むしろ上げる)とか、ライヴ音源もmixが入っているとか。ライヴ音源でも、意図的に特定のパートの余韻を残す編集をしたりするらしい。知らなかったなあ、と感心することしきり。それから、「徳島で演奏した時は客が阿波踊りの振り付けで踊っていて……」と言っていた。彼は拳を突き上げたり跳ねたり縦の動きが多いし*3、徳島は他の会場の客と動き方が違って印象深かったのだろう。しかし徳島だから阿波踊りというのは(環境要因の影響はあるにしても)どうなんだろう。私は徳島と何の縁も所縁もないが阿波踊り派なので、踊り方の発現にはいくつかの型があるのだと思う。多分遺伝子で生得的に規定されてる。いや、知らんけど。実際はどういう環境でライヴを観て来たかが踊り方(動き方)の獲得に影響している気はする。身動き取れないほどギッシリ詰まった会場で観ていたら、縦に動くしかないもんな―。

  しかし、何と贅沢な時代になったんだろう。ライヴの動画を見知らぬ沢山の人と自宅で共有して、その後は資料付きで演奏者自身から解説を受けられるなんて! 自宅でこんなに満足な体験をさせてもらえるなんて、数年前は考えもしなかった。しかも無料という……。いくら何でも申し訳ないので、何かの形で返さねば、という気にはなる。

*1:https://hamahn.hatenablog.jp/entry/2020/04/12/001546

*2:しかし、ライヴCDは好きでよく買うという……。

*3:「トムEヨークのような動き」と先の記事には私書いてた。