Boris『“LφVE” & “EVφL” Japan Tour 2020』at club QUATTRO(広島) cw/ド・ロドロシテル、CONCRE

 半年ぶりのBoris in 広島。年に2回も広島でBorisを見られるなんて! 前回の来広時は客が少なくて(もう駄目だ……次の来広はない……)と絶望していただけに、ありがたくて五体投地したい気分。おまけに対バンはド・ロドロシテル(掟ポルシェ)と来た。少なくともここ10年くらいは、好みのタイプを問われると「掟ポルシェ」と答えるくらいに掟ポルシェが好きなので*1、何かもう盆と正月が一緒に来たような嬉しさで呆然としていた。そして相変わらず売れてない前売り券。公演一週間前で20番台前半って。そしてそして開演前の客入りは20人前後。整理番号不要な入り具合。

CONCRE

 広島で活動するバンド。細いお姉さんがギター、赤いスケキヨ面みたいのを被った大男がベース。そしてアフロ田中綾小路翔を足して2で割ったようなボーカルはマイクスタンドを巧みにぶん回している。ベースの大男が映えるなあ。ドラマーがいなくて、ドラムマシンを使っているせいか、あまり生身の音という感じがしない。ジャンルをデジタルパンクと謳っているが、これってメタルではないの? パンクももう裾野が拡がり過ぎて私には何だかよくわからない。こういうの久しぶりに見たなー、と昔取った杵柄で楽しく見る。

ド・ロドロシテル

 まー掟さん、ナパームデスとかカーカス好きだもんなーと、妙に冷めた位置で見る。何というか、メタル系の音やパンクはディスクユニオンのBGMという感じで、聴くと落ち着くけど特に好きではないのだ。そして、自分は自分で思っていた以上にロマンポルシェ。の音が好きだったのだな、と気づかされた。去年行われた20周年記念ライヴ、行っておけば良かったかしら。

盗んだバイクで天城越え

盗んだバイクで天城越え

 

  そして客いじり。腰に手を回され、カバンを持っていかれるお兄さん。正解が出るまで質問を受けるお兄さん。CONCREのギターのお姉さんは「ミヨっち」と呼ばれていることを知る。親しみやすいなおい。私は仰臥位の掟さんから足を挟まれそうになるが、逃げると仰臥位のまま追いかけられる。逃げる速度を速めると追う速度も速くなる! 面白かったんだけど、ここは挟まれておく方が正解だったのかしら……。サブカルのやり取りはハイコンテクストだからよくわからんわ、とちょっとしょげる。しかしその後同じパターンで追いかけられたので、まああれで良かったんだろう、と安堵する。そして私がそんなに気にする場面でもないのでは……と思い、またしょげる。面倒くさいな私。

Boris

 Borisのライヴはショウだと思う。スモークをばんばん焚いて、後光が差したりシルエットだけになっている中から、演奏するメンバーがスッと立ち現れて、またスモークの中に消えて、を見るのが楽しい。スモークの中からメイクしたAtsuoさんが現れると、妖怪百鬼夜行ぽい。照明とスモークを効果的に使い、「見せる」ことを意識したステージを作る。

 Borisは都内や名古屋で数回見たことがあるが、広島で見るのが一番楽しい。どういうステージなのか、客が少ない分床から天辺までよく見えるのだ。東京で観た時はTakeshiさんの頭しか見えなかったもんなあ。東京のお客さんは広島へ来ると良いと思う。物凄く寛いで、ステージ全体を楽しめる。

世代

 Borisの時に客数は最も増えたが、大体40-50人くらいだったか。割と衝撃だったのは、10-20代と思しき客が見受けられなかったこと。私が行く広島のライヴの客層は、割と年齢層高いんだよなあ。広島の若い子達は何を観に行っているんだろう。Tシャツも欲しいけど、襟ぐりの詰まったTシャツはもう似合わない。時の流れを感じる。 

*1:掟ポルシェの奥さんが夫について語ったインタビューを読んだ時に、嫉妬を感じた自分に気がついて「あれ、私だいぶ彼のことを好きだな」と気づいて引いたくらいには好き。