New Year ZEcHO-TEN Special!! at Decadent Deluxe(福岡)

 15時30分開演のイベントだったのだが、会場入りしたのは19時過ぎ。終電の関係で途中離脱したので、実質イベントの1/3も観てないんじゃ? だからイベント全体の感想というより、自分の観たものの感想という感じです。

デカダンデラックスとわたくし

 会場デカダンデラックスの場所を事前把握しそこねたが、洋服屋の店員さんに聞いて無事到着。
 デカダンデラックスは梅澤春人の漫画に出てくる「不良が集まるヤバい店」のような外観だった*1。3〜5階はデカダンデラックス、1階はキースフラックらしい。ライヴハウスが詰まったビルなのねえ。
 エレベーターで4階(受付)に着くと、窖みたいだわバンド演奏はしてないわで様子がさっぱりわからずキョロキョロ。さてどうしたものか、と思っているとドグラマグラ谷本さんと遭遇、目が泳ぎながらも御挨拶。3Fは静かなの、5Fはうるさいのに分かれて演奏順が組まれている、と谷本さんが説明してくれる。ほほー。というか、建物の構造もよくわからないんですよと話せば「ここ九龍城みたいだよね」という御返事。絶妙な比喩。
 以下は観たバンドに関するちょこちょこした記録。ドグラマグラとテクマ!ととんちピクルス以外は名前と演奏者が一致しているかイマイチ微妙。

?(全然名前がわからない。ギター2本とベース・ドラムの4人編成の若者バンド)

 若さと青さが魅力という感じのギターバンド。ありがちな音ではあるが、あー若返るわーとしみじみ。こういう音、本当に自分好きなんだなあと改めて思った。多少「バンプ?」とも思ったが。

エリート軍団改めコックリさん(?)

 アフロのヅラをかぶった(多分)人の長く延ばす節回しが耳に残る。「コックリさんです」「コックリさんという名前になりました」という紹介のみで、元々どんな名前だか結局最後までわからず。

GNAWNOSE(?)

 ステージから楽器を全て下ろしていたので、アレ? 片付けちゃうの?と思ったら、フロアで演奏開始。バンドがフロアも使用している関係でフロア面積が狭くなっていたせいもあると思うが、結構客が詰まっていた。うっかり前の方にいたために、抜け出せず何となく前から2列目で鑑賞。
 ドラムの手数が多く重く好みだったが、照明がストロボを多用しており、不運にもストロボ真正面に立っていたため目が痛くて音に全く集中できなかった。何しろ目をつぶってうつ向いても光が入ってくる。目が痛いよー。あまりにキツいので仕方なく後方の人を押し退けて後ろへ下がったとほぼ同時にバンド演奏終了。もう何が何だか。

ドグラマグラ

 前のバンドが下がり、入れ替わりタイムになってもストロボは止まない*2。段々殺伐混じりの不機嫌になり始め、ああ多分モスキートで撃退されたエゲレスの若者はこんな気分になったはずだ、と考える。というわけで酒が回って眠いわバリバリ不機嫌だわ今回最悪のコンディションで聴くドグラマグラ
 音出し?と思うような状況からスタート。4つの楽器が各々勝手に自分の好きなことを話しているような感じ。そのうち、アレ? あの人とあの人がおしゃべりしてる? あ、もう一人加わった?……違うのか、あ、また乗っかった、……このやりとりに耳をすます。実際やりとりにかなり時間を割いていたような。そしてこのやりとりからバラバラだった各々が1つの流れに入るまではいつも私には不思議で、面白くて、あ、1つになる!という瞬間はどきどき*3する。いつのまにかすっかり機嫌も直る。
 今回は踊るより聴き入る感じで、曲もドグラマグラ定番の曲だが派手な演出はなかった。はじめまして、自分ドグラマグラといいます、と名刺を差し出されたような感じ。存外に観客多かったし*4知名度上がってんだろうなあ。
 

folk enough

 古いロックの展開をする曲が多く、馴染みの感触でカラダが動かしやすい。ゆらゆら揺れながら楽しく鑑賞。
 アンクル・サムの帽子をかぶったプアホワイト風の人が、自分はテクマ!を観たいんだ、楽しみなんだと熱く語っていた。

テクマ!*5

 folk enoughの人の強力プッシュに背中を押されて観に行く。どうせ次とんちピクルスだし今のうちから入っとこ、ぐらいの感じだったのだが……これが予想外だった。
 化粧した坊主頭の男性が、カラダにピッタリした黒スーツ着て、80年代テクノ歌謡という感じのカラオケに合わせてビシバシ踊り歌う。掟ポルシェ鳥肌実を足して2で割った魂を入れられて、21世紀にソフバ森岡賢が蘇りました、というポップが脳裏をよぎった。
 カラオケにバッチリ合った振り付けが素敵過ぎ*6。客も同じ振り付けでビッシバシ踊ってた。folk enoughの人はテクマ!より先に踊り始めて、しかもテンポが速すぎて曲とズレてることさえあった。笑ったけどほとばしる愛を感じましたわ。

とんちピクルス

 テクマ!が終わると急にフロアがガラガラになる。そこへよいしょっ、という感じで現れて、ウクレレで音出しを始めたおいさん。あんまりさりげなく始まったので演奏が本格的に始まったのかどうかさえ最初わからなかった。ウクレレという楽器の性格もあるのか、ほわわわん、と日だまりのような雰囲気の演奏。そこへ洞窟の奥から聞こえてきそうな歌が乗っかる。とんちピクルスの人はオオクボTディナーショーの司会をしたりするというので、あからさまに強烈なおいさんかと予想していたのだが、全くそんなことはなく。あらー和むわー、と思いつつも終電の時間が来てしまったので3曲目の途中で出た。もっと聴いていたかったなああ。

おわりに

 私が観たバンドは皆上手かったです。退屈しなかったし*7。こういうイベントって大概物凄く下手なのとかワケわからんのが入っているもので、それが面白かったりするんだけど、そういうのもなく*8
 あと、今回は色々な方に声をかけていただいて非常に緊張&恐縮した。目泳ぎまくりの冷汗かきまくり。同じ人のライヴに繰り返し行っていると互いに顔を覚えるようになるものだけど、「あ、〇〇さんだ」と思うのが今までは関の山、ライヴ会場の顔見知りに挨拶とかしたことがないので大変戸惑う。音楽に没頭していたいのにああ面倒くさいことになったなあという思いと、そりゃまあ今まではなかったかもしれんが今は今、挨拶ぐらいはするもんだろう、もういい歳こいた大人だし愛想笑いの1つくらいちゃんと付けなさいよ、甘えるんじゃないよ自分!という思いとが拮抗して中々胸中複雑。しかしとりあえず次は笑顔で挨拶の1つくらいは返せるようにしよう。もう大人だしね。

*1:まだ福岡に来て間もない昔々、ゆらゆら帝国のライヴ開場待ちにてロゴス周辺をぶらぶらしていた時、異様な雰囲気のビルだなあと思ったのはどうもコレだったらしい。日本でも有数の古いライヴハウスなんだとか。あの頃(2000年頃)は裏にラブホみたいな建物もあったと思うのだけど、それはもうなくなっていた。

*2:多分30分くらいストロボタイムは続いたと思うのだが、クラブって30分くらいの連続ストロボはザラなんだろうか? 凄くキツかったのだが、皆平気なんだろうか。

*3:今回は高速で走っていたものが宙に浮く瞬間を連想したなあ。

*4:そういえば、ボ ギーさんが最前列で観てた。好きなんだなあと思った。

*5:テクマ!はyou tubeでPVも公開しているらしい。

*6:ギョン! ギョギョン!とか入る細かい効果音にも1つ1つ振りが入る。これ、すっげー練習したんだろうなあと思ったら、独り暮らしの1Rアパートで黙々と振り付けをするテクマ!の姿が脳裏をよぎってしまった。

*7:単に今私が新しい音楽を聴かなくなっているしライヴにも二ヶ月くらい行っていなかったので、久しぶりで新鮮だっただけかもしれないけど。

*8:インディーズの醍醐味的人達はイベントの前半に出ることが多いと思う。今回後半から観たので、私が単に見逃しただけかもしれない。