豊後森機関庫を観に行ってきました

JR九州が企画しているウォーキング企画に乗って観に行ってきた。ちょうど地元で日本童話祭*1という大きなお祭りが行われるそうで、それと併せて一般公開しているのかと思ったのだけど、現在、豊後森機関庫は常時一般公開しているそうで、人出の多い時に張り切っていく必要はなかったと後から知る。これだから情弱は。

遠いよ、豊後森

 意外と運賃が高くて驚く。黒崎に行くのと同じくらいかかるとは……。さらに電車の本数が少ないので、朝6時半の電車に乗らないと受付開始時刻に間に合わない。さらにさらに、こういう肝心な時に限って不整脈を起こす腕時計。仕方ないので電車の中で日光浴させる*2。だんだん電池切れまでのスパンが短くなっているような気がする。

JR九州ウォーキングという企画

 事前予約も費用もなしというこの企画、いったいどうなっているのかと思っていた。開催駅に到着するとテーブルが出ているので、そこで受付。どこから来たかを伝えると簡単な地図とステッカーをくれる。こんなもんで本当に道に迷わず行けるのか心配していたが、あちこちに誘導ポスターが貼ってあり、分岐点には誘導員が立っていて順路を教えてくれるので、全く迷わず進むことができた。また、同じ道を通らず進めるように構成されているので、10kmの全行程を全く飽きずに進むことができて楽しかった。

場合によっては地面に貼ってあることも。

 一通り見学を終えて駅に帰ってくると、カードにスタンプを押してくれる。20個集めると何か貰えるらしい。

今回の行程

 日本童話祭は2つ会場があり、駅を出たらまず街中の方の会場に行き、そこから今度は河川敷の会場に向かい、最後に豊後森機関庫に寄ってゴールという流れになっていた。

折り返し地点に到着

 豊後森のあたりは森藩という藩が治めていたそうで、その森藩の陣屋*3があった跡(現広場+高台に神社と庭園跡)に着く。

 陣屋跡と神社は山の上。日差しの強さとでこぼこした石畳を歩くことに嫌気がさし、登らず復路を進もうかと思ったが、気を取り直して。

息を呑んでしまうほど新緑が美しく、写真に撮ってみた。しかし光が強かったせいか白っぽく写ってしまって、全然綺麗じゃないですね……。目で見た通りに写るカメラがあったらいいのに!

末廣神社境内。奥の白っぽい物は段ボールの張り紙で「お守りなどをお返しする場合はこちらにお入れ下さい 人形などは入れないで下さい」と書いてあった。呪いの人形? で、私が気になったのは狛犬の奥にある物。

狛犬と同じように、左右対称に設置されていた。これは大砲の弾だと思うんだけど、違うんだろうか? 弾を祀る習慣があったのかしら*4

神社を出てすぐの場所にある栖鳳楼(せいほうろう)という建物。殿様と家臣の会う場所だったらしい。こんなところで昼寝できたら気持ち良すぎて目覚めないかもしれない……。2階から見る新緑はやはり大変美しかったが、例によって写真はその美しさを全然伝えてない。

石像 on fire

山を下りてぶらぶらしていたら、桃太郎の石像を発見して固まってしまう。

勢いがあって大変よろしいのだけど、なにしろ桃太郎の顔が。

 どう見ても人外なんだが。割った桃からこの子が飛び出てきたら、もう1回川に流しに行くなあ……説明書きによれば、20年前に偉いさんから贈呈されたものらしいんだが、90年代初頭ってこれが違和感ない時代だったんだろうか。
 しかしこれで面白くなってしまい、道中の石像を写真に収めまくるわたくし。

すぐ脇にあった桃太郎と作風が違い過ぎる金太郎。そして何の動物に乗っているのかわからず*5、思わず金太郎の童謡を口ずさんで確認してしまう。



 地蔵顔3連発。浦島と一寸法師は竿でも針でもなくて、鯉のぼりを持たされているのがお祭り風。そして、腹を抱えて笑ったのがこれ。

勇気て。
 桃太郎、金太郎、一寸法師、浦島と見たところで鬼勇気。この流れからいえば悪役なのに!『鬼、鬼なのに勇気って!』と身をよじって笑ってしまい、回復するまでちょっと時間がかかった*6
 ここで見るまですっかり忘れていたが、私は石像ネタに凄く弱いと思う。思い起こせば、小野法師丸さんの「カオスとしての石屋の店先」にも呼吸困難を起こすほど笑っていたし。

陸上自衛隊とわたくし

 河川敷会場に到着すると、物販をひやかして昼食に唐揚げと茹で餅(梅が枝餅を茹でたような物)を購入。そして陸上自衛隊のブースがあったので広報用ビデオを一通り見学。以前、海上自衛隊の広報ブースを見た時にショックを受けたことがある。今度は陸上自衛隊がどのようにアピールしているのか非常に興味があった。
 ビデオの冒頭では東日本大震災を取り上げ、災害救援活動で大活躍したことを説明。うんうん。頷いて聞いていると「それよりももっと重要な任務は、国土防衛です!」とナレーションは続く。島国である日本で陸上“自衛”隊の意義は何なのか。それは『陸上自衛隊がいるから迂闊に上陸できない!』と敵に思わせる「抑止力」なのであると説明。ふむふむ。しかしそこから続くのは戦車と対陸上戦の話ばかり。え、飛行機で攻められたらひとたまりもないんじゃないの? 疑問が膨れ上がったところで、ようやく防空体制を司る航空科の話に入る。“自衛”という観点に沿ってプレゼンテーションをするなら、戦車より先に防空体制を担う科を出すべきなのでは。 航空科は陸上自衛隊内での政治力が弱いんですかね。
 私はミリタリー物にはとんと無知だし興味もないが、ハイスペックな物がどんどん紹介されるのは大変楽しかった。ヘリコプターは新幹線並の速度(時速250km)で飛ぶとか、車を吊るして運べるとか、水面に投げるとポンと開いて橋になる道具(浮橋)があるとか、3km先を爆破できる砲弾とか。車の中で天ぷら揚げられるとか。出てくる物出てくる物ハイスペックで、思わず感嘆の声を漏らしてしまう。そして隊員の負担を減らすために様々な装備や車両が開発されていること、「駐留地では武器から食糧まで全てを自給しなくてはなりません」と度々強調されているのを見て、先の大戦の反省はちゃんと活きているのね……とちょっとしんみりした。 しかし、こんなハイスペックな設備と装備がある部隊を自国に持っているのに、アメリカ軍に駐留してもらわないといけないと政府が主張するのは何故なんだろう。そして、これだけ散々凄い武器や設備を紹介した後で「高性能な装備だけでは本土は守れません。最も重要なのは、隊員たちの精神力です!」と締めくくっているナレーションにズッコけた。
 今回の会場は子供向けのお祭りの会場だったので、私と一緒に何人かの男の子たちも楽しそうに見ていた。このビデオの造りなら、図鑑好きの子とかにはたまらないだろうなあ。

ようやく、豊後森機関庫

 自衛隊のビデオ見て、唐揚げ食べながら*7ビールを飲んで、何かもうすっかり一仕事終えた気分で機関庫のことを忘れかかっていたところでヨロヨロ移動。

*1:地元の名士が童話の読み聞かせに尽力した人であることを記念して始めた祭りで、50年くらい続いているらしい。観光客誘致の新しい祭りかと思ったら意外と古くてびっくり。

*2:太陽光充電なので、しばらく日光に当てておくと回復する。

*3:今でいう役所みたいなものらしい。

*4:ざっくり調べたところ、戦争で亡くなった兵隊さんの鎮魂のために大砲の弾を祀る風習が全国で見られたらしい。詳しくはこちら

*5:最初ピューマかと思った。異論は認める。

*6:多分傍から見てると独りで笑い転げてるヤバい人だったと思うが、別にいい。

*7:物凄く良いにおいだったのに、食べたら大して美味しくなかった。衣がフィッシュアンドチップスの衣みたいになっていたのが敗因だと思う。多分衣練り過ぎだ。