威厳と神々しさは彼方へ

 諸事情により、在住地域一帯の市町村史を図書館で調べた。何故か今まで興味が持てなくて一切触ったことがない市町村史であるが、実際開いて見るとなかなか興味深く、面白いものであった。
 内容のフォーマットは大体決まっていて、地形・気候などの地理的情報、土地の歴史(縄文時代から現代まで)、民俗など。その中で特に読みやすくてかつ面白いのは、方言や民話を集めたもの。話の基本的な筋はあちこちで読んだものとほぼ同じなのだが、方言で展開されると全く印象が違う。例えば、下の話はお釈迦様の臨終の際に、雀がお見舞いに来た箇所。

お釈迦様はとても喜んで
「よー来た、よー来た。お前は感心な奴ばい。お前の感心さを愛でて、褒美ば与えよう。これから先お前は米てん麦てん五穀ば食うでもよかぞ」
とおっしゃいました。
                            (「広川町史・資料編」P312)

 お釈迦様の御言葉というか、筑後のおっさんのセリフとして脳内で再生されて思わず笑い出してしまった。そして今わの際の言葉なのに、何だか凄く元気そうな様子でしか脳内再生されない*1

*1:筑後のおっさん=元気者のイメージが強いから。