まちの自転車屋に行ってパンクを直してもらったこと・そこからプロとアマについて考えたこと

 朝、銀行にお金を振込んで、帰宅すべく自転車に乗ると、行きよりもタイヤがスカスカだ。帰宅すると大家さんが庭に水をまいていたので、空気入れを貸してくれと頼む。
 パンクしてるかもしれないと私が言うと、大家さんは以前私の家の換気扇取り付けもしてくれた器用&面倒見の良いおっちゃんなので、どれどれと見てくれて、タイヤの空気を入れる口のところを締め過ぎていると言う。空気を入れる口のところは、タイヤ内部に金具が当たる部分にゴムを付けて、空気が漏れ出さないようにしているので、口のネジを締めすぎるとゴムが破損し、空気漏れしやすくなるらしい。大家さんは器用に直して空気を入れてくれる。
 ありがとうございましたー、って自転車を一旦しまおうとすると、シューッと猛烈に空気の漏れる音が! やっぱりパンクしてんじゃん! パンク箇所を探すと、タイヤの側面の一部にこすれているところがあって、そこから空気が漏れている。その場しのぎのためにガムテープで止めて、即自転車屋に持っていくことにする。
 
 ガムテープを貼った甲斐も空しく、あっという間に空気は抜けてしまった。


 以前住んでいた家の近くに自転車屋があって、自転車屋というとそこしか心当たりがないのでとぼとぼと押していくことにす*1所要時間20分程度。あああ、遠いし暑いし嫌だなあ。しかもその自転車屋は競技用自転車メインの自転車屋なので、ママチャリを持っていくと露骨に嫌な顔をする。今は昼休み中のはずだから、ますます嫌な顔をされることだろう。あああ、憂鬱だあ〜と思いながら歩いていると、自転車屋発見! しかも、安い自転車を大量販売しているタイプの自転車屋じゃなくて、店内に商品の自転車(ママチャリ)が10台もないような小さい自転車屋だ! ここなら修理もきちんとしてくれるだろうと踏んで声をかける。
 店主のコテコテの筑後弁が一部解読不能であったため詳細はよくわからないのだが、タイヤのこすれたところからタイヤチューブが外に一部露出したためパンクした。タイヤ自体を交換しないと、また同じ箇所でパンクを繰り返すだろう、とのこと。まあ理に適った指摘ではあ*2タイヤ交換を依頼。こらあ台湾のタイヤです*3うちのタイヤはブリジストンのやけん、こげな安物みたいに簡単にパンクやらせんとですよ、とは店主の弁。初めて見た時から素人目にも安物ちっくな自転車だなあと思ってましたが、やっぱり安物ですかそうですか。
 店主はてきぱきとタイヤを交換すると、半壊のベ*4気になったらしく、みっともないから外してもいいかと問うてくる。どうぞ。あのー、ついでといっちゃあ何ですが、ライトがつかないんでそれも一緒に見てもらえます? と頼むとこちらは簡単で、モーターと電球を繋ぐ線の部分が一部錆びて電流が通らなくなっていたらしい。クレ556みたいなスプレーを吹いてもらうと一発でつくようになった。ライトがつかないトラブルには、結構多い原因なんだそうだ。
 自転車の構造に興味関心があるので、店主の話や私への教育的指導は結構面白かった。自転車に対する愛情、自転車に乗ることへのマナー意*5など、いわば「自転車で生計を立てている者の自転車観」が見え隠れしていた。様々な種類のねじ回しがあることや、パーツの解体と再構築も面白かった。この店ではメンテ済み中古車や新古車を安く売っていて、ここで自転車を買っても良かったなと思っ*6


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 店主とのやりとりを通じて、このid:crinさんの日記(http://d.hatena.ne.jp/crin/20040928)を読んだ時に何だか違和感を感じたことを思い出したのだけど、「プロとアマの区別がなくなってき*7」といえる業界もあるしそうでない業界もある、と言う方が妥当なんじゃないだろう*8? 「世界に問いかける」方法は、権威だけではない。技術力もそうだと思う。権威がなくても、高い技術力で「世界に問いかけている」人たちがいる。そして、その技術は「お金を貰う(プロである証)」という責任の下で培われてきたと思うのだけど。技術力で勝負の世界は、まだまだプロとアマの差は歴然とあると思う。そして、私は自分が今必死になって磨こうとしている技術に関して、自分が世界に問いかけられる技術を(アマ感覚で)得られるなどと思わないことにしようと思*9

*1:ンクした自転車に無理やり乗ると、タイヤチューブを傷めるので、パンクする可能性箇所を他にも作ることになってしまう。安い粗悪なタイヤチューブなら尚更だ。

*2:かし本来ならばチューブが露出するほど磨耗するはずのないタイヤ側面が何故磨耗したのか?についてはわからないままだ。何らかの理由でタイヤ側面が磨耗するような状況になっているのならば、良いタイヤを使ってもまたパンクするかもしれない。まあどうなるかわからん。

*3:際には中国の(店主に言わせれば「シナですたい」)だった。タイヤの溝が輸入物と国産物は異なるらしい。確かにゴムの質は全然違った。

*4:ルの蓋の部分を固定するのネジが、バカになっていて、段差などで自転車が跳ねると吹っ飛ぶようになっていた。最初は拾ってかぶせていたのだが、ベルを使う機会は滅多にないし、かぶせてもきれいにチリン♪と鳴らないのでほとほと嫌になり、急いでいる際に吹っ飛んだ時、もう拾わなかったのだ。

*5:レームがすぐ曲がってしまうような安物自転車や、交通マナーの悪い自転車ユーザーへの嫌悪、自転車のメンテナンス方法などをぽつぽつと話してくれた。

*6:「自転車はタイヤが大事だから、タイヤをブリジストンの新品に替えた」と店主が誇らしげに見せてくれた中古車は3000円だった。ちなみに私のタイヤ交換料は3800円。割に合わなくないか?と店主に問いたくなったが、(タイヤ交換料を値引きして欲しいわけでもないのに)値引きを求めているように受け取られてもつまらないのでほおおとだけ答えた。

*7:「プロ=お金を貰ってそれで生計を立てている人達、アマ=彼にとってはしてもしなくてもかまわないことだけど、それが好きでしている人達」と理解してます

*8:てにおいてプロとアマの区別がなくなってきている、といっているわけではなくて、ただ凄くシンプルな書き方をされていただけだと思うのだけど、やっぱり気になって取り上げてしまいましたこのテーマ。「自分の考えていること・感じていることを明確にする」ことはこの日記を書く目的の1つでもあるので、crinさんの日記が今回たまたま「私が考えさせられたこと」の題材になったのだということです。この場合トラックバックすることは妥当なのか?も考えたのですが、後から読んだ時に参照しやすくするためにトラックバックさせていただきました。もしトラックバックを外した方が良ければ連絡下さい。crinさん。

*9:crinさんの日記に私が反応したのは、私が今「専門家」になろうと技術を磨いている途中なので、私が必死になっていること(私の拠り所)を揺らがされるのではないかと恐れを感じたのかもしれないとも思う。