「The Street Sliders ”On The Street Again-Tribute-“」先行全曲”爆オン”試聴会 in HIROSHIMA CLUB QUATTRO

 5/3にStreet Slidersが”再集結”して武道館でライブをすることになった。ちょっとした派手な祭りになっていて、ライブに先行してリリースされるSlidersのトリビュート盤をライブハウスで全曲聴ける、しかも入場無料という超太っ腹なイベント。乞食根性を発揮して、早速行ってみた。今時爆音でCD音源を聴ける機会なんてそうそうないしねえ。

 行ってみた結果、寄る年波を実に味わい深く体験する機会になってしまった。

音源試聴会

 会場は40-50人程度?の入り。見回す限り周りは40代以上ばかり、20代らしき人はいない。まあSlidersチルドレンのバンドって思いつかないし、そうなるよねえ……。最近の若い人はロックを聴かない、という言説を目の当たりにしたような気分になる。視聴開始までの待ち時間は、SlidersのMVが流れていた。eZで流れていたやつで、「Baby,Don't Worry」、「風が強い日」とか、なんとも懐かしい。この「懐かしい」という感覚がもう何ともババア臭いというか何と言うか、全然ロックじゃない。

 試聴会は特に映像を流すこともなく、凝ったライティングがあるわけでもなく、ホントに大きな音でトリビュート盤を聴く機会だった。「ライヴハウスで大きな音が聴ける」というだけで、割と至福。コロナ禍で全然ライヴハウスに行かなくなっていたしな。良かった(面白かった)と思ったのはALIとGEZAN。5chではあまり評判が良くなかったけど、演奏者の解釈やアレンジがバリバリ効いているカバーの方が私は好き。クロマニヨンズは原曲から色気を抜いた感じで味気なかった(まあヒロトだしな)し、The Birthdayはハリーが憑依してた。チャボや渡辺美里エレカシはまあ予想通りというか「〇〇がそのままカバーした」という感じの仕上がりだったが、Sliders同世代の音には何だか妙にしみじみしてしまった。チャボは麗蘭エレカシはレーベルメイト、渡辺美里ソニー仲間*1なので、トリビュートの依頼があった時に彼らが抱いたであろう感慨とか、何かドラマを連想してしまうのだ。要はプロレスの試合と一緒である。それまでの文脈やファンとしての思い入れが乗るせいで味わいが深まるというか。

Boys & Girlsは大人になった

 会場はオールスタンディングだったのだけど、中盤で男性が倒れて2回ほど中断した。周りの人が心配していたがその人は仕草で「大丈夫」と示し、テーブルにもたれながら再び立ち上がった。が、しばらくするとズルズルと滑る落ちるような感じで再び倒れてしまった。女性が駆け寄り、テキパキと応急手当していた。安全の確認、呼びかけて意識の有無の確認(意識はあった)、一応気道の確保と、手慣れた対応。医療関係者かなあ。倒れた男性は担架で運ばれていったけど、どうも様子からすると既往症があるっぽかった。そうだよなあ、体にアチコチ悪いところが出てきても全然おかしくない年齢だし、働いてれば中堅というかベテランのポジションにいる御年頃だもんなあ。Slidersファンのボイズンガーも大人になったんだよ、時は流れたんだよ……と、これまたしみじみしてしまった。

 何だか時の流れを痛感するイベントだったというか、私は歳をとったんだなあと思いながら帰った。大人の寂しさというか、切ない帰り道だった。

 時間は流れたけど、このジャケットはカッコいい。右端(ZUZU?)が森田童子っぽいのがまた何とも。

*1:渡辺美里CBSソニー所属だったはずだけど。