忘れて欲しい?

たとえば僕が死んだら そっと忘れてほしい

 とは森田童子の歌詞の一節だが、私はこれに概ね賛成だった。私は忘れないけど、私のことは忘れてしまって欲しい。私などいなかったかのように過ごして欲しい。
 今日、以前の職場の「客」から連絡があった。夏休みに皆で広島へ遊びに来ると言う。職場を離れる時「遊びに行きますよ!」「来て下さい!」というやりとりをした。したけれどある種の社交辞令というか、日々に忙殺されて何となく流れていく言葉だと思っていた。連絡があった時、私はとても嬉しかったのだけど、嬉しい自分をニヤニヤしながら見ている自分もいた。私のことを忘れて欲しいと自分は思っていると思ってきたが、覚えられていたら嬉しいんじゃん、みたいな。忘れて欲しいと思いきることは中々できないものなのかもしれないとか、忘れて欲しいと思っている自分はちょっとロマンに酔っているんだろうかとか、まあ色々。