今日は憂うつ

介護施設クラスター133人感染、25人死亡 (神戸新聞

 神戸市は7日、同市長田区大日丘町3の介護老人保健施設「A(引用者伏字)」で4月14日以降、入所者97人(定員150床。引用者追記)、職員36人の計133人が新型コロナウイルスに感染する大規模クラスター(感染者集団)が発生し、うち70代以上の入所者25人が死亡したと発表した。(後略)

 

高齢施設で集団感染、13人死亡 8人は入院できぬまま (朝日新聞

 大阪府門真市の有料老人ホーム(定員44人)で新型コロナウイルスの集団感染が起き、入所者40人が感染し、60代~90代の男女13人が死亡した。そのうち8人は、入院先が決まらないまま亡くなっていた。門真市や保健所などへの取材でわかった。(後略)

 入所利用者の6-9割が感染というだけで全国ニュースレベルの大事故なのに、死者2ケタとは大変なことである。しかもそれが同日二か所発表。多分、もう入所者の大規模感染は大阪・兵庫ではざらに起きていて、それだけでは報道の価値がないのだろう。亡くなった人、スタッフ、家族のことを考えると胸が痛む。特に自分が以前高齢者施設で働いていたこともあり、スタッフのことを考えると胸が痛い。自分がプロとして守らなければならないと認識している利用者が苦しんでいるのに、何もできず亡くなっていくのを見守るしかないのを考えるだけでたまらない気持ちになる。そしてスタッフも感染のリスクに晒されているわけだし。

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 仕事終わりに運転しながらニュースを聞いていたら、Aセクシャルの人(生物学的には女性)の話が流れてきた。珍しいのは、この人が島根の限界集落にある町役場で働いていたこと。島根の田舎といえば「ダビデ像にパンツを履かせろ」と住民から注文が出たことがニュースになったり*1、とある美術館*2に当時30代の私が行こうとしたら「あそこは裸の女の人の絵ばっかりですよ」とタクシー運転手にマイルドに止められたり、そういう御土地柄である。古風な男女観と、異性愛以外の存在を認知すらしていないと思われる土地で、心穏やかに暮らしていけるのか? と思ったらやっぱり無理っぽかった。「早く良い人見つけて、結婚しな」とか地元のおいちゃんにグイグイ言われてる。「恋愛感情がない、結婚に興味がない」と言う当人の主張は、異文化過ぎておいちゃんには絶対わからないだろう。「わからないから放っておく」というのも、田舎の人間関係だと難しいだろうしなあ。Aセクシャルの人は「言われるのはムカつくけど、皆優しくしてくれる」と言っていた。そりゃ言われるに決まってるだろ、パーントゥの祭に行って「泥つけられた!」と怒るくらい、ムカついている意味が分からん。ただ、この人が20代の生物学的女性だというところも、かまわれる重要な要素になっていると思う。この人が30代後半~40代後半になった時、周囲からの扱いはどんな風になっているだろう。そのまま行ったら孤立してるんだろうけど、あと10-15年時間はあるわけで、同じような若い人が増えていたりして、状況が変わっていると良いなあ。

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 その後、菅さんの会見と西村大臣&尾見会長の会見を聞く。菅さんは相変わらずだし、尾見会長は声がガラガラだった。

*1:2013年の話。

*2:石正美術館。地元出身の日本画家、石本正の作品を集めた美術館で、石本正の愛人の裸婦画コーナーは確かに男女の情が匂ってくる生々しさがあった。