天然痘根絶宣言後の天然痘?

 師匠と話していて、法定伝染病の話になる。実は私、はしかもおたふくも百日咳もやってないので、これからかかると結構厄介な身。師匠の子どもさん(20代)は一通り済ませているらしい。いいなあ。
「それだけじゃないのよー。ウチの子、天然痘もやってるから」
天然痘!? 天然痘って、1970年代にWHOが根絶宣言出してますよね……?
「ネパールに住んでる頃に罹ったのよ。まだあるのよー、天然痘。モンキーなんとかって呼ばれててね……」
 確かに根絶宣言後に生まれた世代である私達は天然痘への免疫がないので、何かの拍子に感染してしまう可能性はある。天然痘って、実はまだ細々発生例が出ているのか!? と思ったら。

猿ポックス症(ヒトにも罹るサルのオルトポックスウイルス症)
 猿ポックスウイルスは天然痘ウイルスやそのワクチンに近い。この疾患は捕獲したサルに因り、小さな流行を起こす。1970年以来、アフリカ西部と中央部での天然痘の撲滅運動中に、 310例のヒト症例が記録された(図4−2)。この感染は発病したサルや、その他の野性動物(リス?)との接触で起こったようである。ヒト患者では天然痘と症状が類似し、予後も同程度(死亡率16%)であるが、感染力は弱い(二次感染例は天然痘が25−40%に対して、本症では4%)。診断は生物学的にも難しい。如何なる治療法もないが、天然痘ワクチンは猿ポックス症に予防効果がある。
(天然痘、猿ポックス症とその他のポックスウイルス症)

 天然痘っていうか、コレだったんじゃないかという気がする。そして、お子さん死ななくて良かったねえという気も。