成犬萌え

 今日も今日とて、朝から保護犬ボランティアに行く。日中暑くなると散歩へ行けなくなるので、犬たちを代わる代わるドンドン散歩へ連れ出す。子犬は可愛いが、私は成犬の方が好き。子犬は散歩の仕方から教えなければいけないし、エネルギーに溢れて動作が多いのが煩い。成犬は一応散歩の仕方を心得ているし、何より動作が落ち着いているのが疲れなくて良い。一通り発達が完成しているので、犬の個性がわかりやすいのも楽しい。行きたい方向について駆け引きを仕掛けてくる犬、甘えて私の首の手拭を甘噛みする犬、(おそらく一週間ぶりに外へ出たせいか)頻りに鼻を動かし外のにおいを嗅いでいる犬。その一瞬一瞬に自分のココロの琴線が掻き鳴らされてたまらない。ああもう、連れて帰りたいくらい可愛い! しかし、里親に貰われていく犬は圧倒的に子犬が多いんだよなあ。いいのに成犬。楽だし可愛いし、サイズの心配も不要だし。
 一方で、外へ連れ出そうとすると怯えきって固まったり、果てには失禁する犬がいたりもする。どうやったらこんな散歩嫌いになるんだ……。これら犬のこれまでの過酷な生活を思う。