実家の犬が死んだらしい

 子どもたちが家を離れてから飼い始めた犬で、両親はこの犬をとても可愛がっていた。特に父はしょっちゅう御供にしてあちこち連れ回していたので*1、さぞや落ち込んでいるだろうと思い、様子伺いに電話してみた。父は普通に電話に出たが「とても可愛がってたでしょ? 大丈夫かと思って電話してみたの」と私が言った途端、無言になる。そして「…………駄目だ、泣いちゃうよ! 」と言ったと思ったら、嘔吐に似た音を発して電話は切れた。父親のペットロスを目の当たりにして、動揺しあばばばばとなるわたくし。切れた受話器に向かって、ごめんと思わず謝ってしまった。
 この犬、会った回数は私もいとこたちも殆ど変わらないのに、何故か私にだけ物凄く愛想が悪くて一切懐いてくれなかった*2。しかし、表情豊かでとても可愛い犬だった。両親が来ると大歓迎なのに、その後に私が出てくると明らかにテンションだだ下がりで困惑してる様子が見て取れるところなど、如何にも犬らしくて好きだったなあ。数少ない犬との触れ合いを思い出してみたりなんだり。

*1:今回急に犬の体調が悪くなった時、父は噛まれたりしつつも犬を点滴に連れて行ったりしていたらしい。「我が子(の育児の時)よりも余程甲斐甲斐しく面倒看てたわよ」とは母の言葉。

*2:いとこには愛想よく飛びついたりするのに、私には警戒鳴きするのがどうにも納得いかなかった。