反面教師

 大掃除で床を磨き上げた1時間後、師匠の犬(座敷犬)が散歩帰りの汚れた足を拭かれることもなく中へ入ってくる。犬に……犬に罪はないが……磨いたばかりの床の上を、我が者顔で歩き回る犬を見て遠い目に。

*****

 最近師匠に辟易し気味。(ADHDだから)元々衝動性は高いし興奮もしやすいし、私のパフォーマンスが師匠の要求水準に達していないから色々怒鳴られても仕方がない節はあるのだが、「あんた何コレ!」と怒鳴られてから、実は師匠の勘違いでしたとか師匠がミスしてましたということが続くと嫌になる。勘違いで怒鳴られることは勿論嫌だが、自分の中の師匠への尊敬が減るのもつらい。減った尊敬の分は、侮蔑が増えるような気がする。
 この一連の事態から、自分より立場が弱い人に対してであっても、事態がはっきりしないうちから威嚇したり相手のせいにしたりしてはいけないのだとよく思う。言われた人は何も言わないが、畏縮してパフォーマンスが悪くなるし、言った人のアラを静かに探すようにもなる。そしてアラを見つけた時、言った人への尊敬が減り、代わりに侮蔑が増えるから。しかし、そうなってしまう関係は不幸だなあと本当に思う。誰にも良いことがない。
 モデルの優れたところは真似しにくいので身につきにくく、悪いところはすぐ身につくという。私は気をつけよう。