「白い病」

 「山椒魚戦争」、「R.U.R」で知られるカレル・チャペックの戯曲。思わず手に取った。

 COVID-19が、もっと醜悪な見た目に変わる感染症だったらどうだっただろう、と思うことがよくあった。「EDEN」に出てくるウイルス疾患のように見た目が変わる、しかも急速に変わるような病気だったら? 多分もっと差別は極端になっただろうし、パニックが起きていたかもしれない。「白い病」はそういう病だった。生きながら体が腐り、腐臭を放つようになる病気。若者はかからない病気。COVID-19が更に悪質になったような病気の症状に、奇妙な一致を見て不思議な気持ちになる。しかし施政者の振る舞いは理性的で、COVID-19流行下の日本それよりマシだった。「事実は小説よりも奇なり」を地で行かれてもな。

白い病 (岩波文庫)

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EDEN(1) (アフタヌーンコミックス)

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