多分戦時下ってこんな感じ

 ニュースを流しながら車を運転していたら「大阪ではトリアージが行われている」との報。入院を要する状態の感染者数が多過ぎて、特に重篤な(そして恐らく、助かる可能性のある)人を優先的に入院させているらしい。トリアージが行われるって非常時下にあるということなんだけど、どうしてこんなにアナウンサーは平静なトーンで話しているのだろう。状況としてはかなりヤバいんだけど、ヤバさの実感は湧かない。でも大分ヤバいぞこれ。広島は大阪と福岡の影響を受けるので、大阪が酷い状況になれば、2週間~1か月後には広島も同様の事態に陥りかねない。

 ふと、2018年の西日本豪雨災害の時、トンネルの手前で立ち往生して一夜を明かすことになった時のことを思い出した。あの時も「これはヤバいんじゃないか」とうっすら思いつつ、しかし実感はあまりなかった。9時間くらい渋滞と迂回路を彷徨ったあげく通行止めで立ち往生したが、車の中はいつもと変わらなかった。「これ、遭難しかかっているんじゃないか」と気づいたのは、出発から7時間くらい経ってからだったような。

 なんかこうやって平時と変わらない生活を送っているけど、ジワジワと不安の種は迫ってくる。でもどうしようもない。そして「ヤバいな」とは思うけどイマイチ実感はわかない。空襲を受ける前の戦争の実感って、こんな感じだったんじゃないかと少し思う。