犬本5冊
「日本犬の誕生」、「戦時下の日本犬」、「犬の日本史」
前者が明治~戦後の日本犬を取り巻く状況について、後者が第二次世界大戦下の日本にいる犬(日本犬を含む)を取り巻く状況についての本。テーマと記述する時代が近い分、色々比較してしまう。前者は南方熊楠の研究者らしくて学術誌っぽい書き方、後者はジャーナリストらしい書き方*1。前者は日本犬にこだわりなし(なさそう)、後者は日本犬好き。記述に筆者の背景が見えるのが興味深かった。
中世や近世の絵巻物を引用しながら犬の姿と犬と人の関係を記述している「犬の日本史」を読むと、日本犬が「日本古来の犬の姿を取り戻す」としながら、当時の富国強兵とナショナリズムに合わせて作出されていったのであろうことが実感できる*2。日本犬というのはイデオロギーの結晶なんだなあと思うと、一度日本犬専門のドッグショー*3にも行ってみたくなる。ドッグショーとはまた異なる知らない世界が繰り広げられていることだろう。
「犬が私たちをパートナーに選んだわけ」
犬好きによる犬賛美本かと思って選んだのだが、結構読み応えがあった。犬の起源、犬の認知能力、米国における犬の福祉まで幅広い内容が詰め込まれている。様々な立場の人達からコメントを集めており、結論は出ていない。愛犬が執筆の動機になっているのに、「愚かな振る舞い」「~くらいしか能力がない」等、愛犬を落とす記述があちこちに見られて軽く混乱した。こういうツンデレな記述に関する免疫がすっかり落ちちゃっているな私。
犬が私たちをパートナーに選んだわけ 最新の犬研究からわかる、人間の「最良の友」の起源
- 作者: ジョン・ホーマンズ,仲達志
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2014/01/30
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
「マンションで犬や猫と上手に暮らす」
今の自分のニーズに合致しているということで読んでみる。部屋のインテリアの選択や配置、犬の基地を家のどこに設置すべきか*4など色々面白く読んだ。相談できる団体などが巻末に掲載されているのもありがたいが、もう12年前の本なのよね……。また状況も変わっているだろうから、最近刊行された本を探してみたいところ。