セラピードッグって何だ・1

 犬の飼養を希望して数年経つ。なかなか踏み切れないでいるのは、実家の犬を引き取れる余裕を作っておくことも理由の1つである。しかしそれ以上に大きいのは、「私一人で犬の面倒を看きれるのか?」ということだった。私が体調を崩したら、犬の面倒を誰が看るのかという問題が途端に大きくのしかかる。しかし、そのような非常事態の話だけでなく、普段の生活でも「誰が看るのか?」問題はかなり大きかった。私は帰宅が遅くなりがちで、寝る時以外は殆ど職場にいる。そのような生活では犬を留守番させるばかりになってしまい、私も犬も不幸だろう。

 「職場に連れてきたらいいじゃん」

 ある上司はそう言った。それは私もうっすら考えていたことだった。犬をセラピードッグとして仕立てられれば、犬連れ出勤が現実になる可能性がある職場である。実際にセラピーに携わる時は限られていても、犬と一緒にいられるのは随分助かる。

 しかし、セラピードッグに仕立てるには一体どうしたら良いのか。セラピードッグの国家資格があるわけでなし、また犬をトレーニングしたとしても、犬をコントロールする人(ハンドラー)に私がならなければ駄目だろう。しかしハンドラーの国家資格もない。ザッとネットで調べると、数十万もかかる講習会が出てくる。でもその講習会を受けたところで、実際に犬をハンドリングできなければどうしようもないだろう。やっぱりどうしたら良いのかわからない。で、本を読んでみた。

**************************************************************************

 物凄くザックリと「セラピードッグの作り方」だけ3冊ほど本を読む。で、どうもこういうことらしい。

  • 家庭犬として必要なしつけが一通り入っている&清潔(感染症の心配がない)な状態であることが必要最低条件らしい
  • 1年以上は家庭で飼育している(犬と飼い主の関係が十分できている)ことが望ましい

 で、「家庭犬として必要なしつけ」は明文化されており、この辺の試験を受けると保証されるらしい。

CDの試験内容*1を見ると、「CDⅠだって、これだけ出来るなら大したもんだわ」という内容。で、しつけが十分についたら、割と気軽に参加できそうな活動として、日本動物病院協会が主催するCAPP(人と動物のふれあい活動)というのがあるらしい。これで「動物介在療法とまではいかなくても、動物介在活動に参加しています」という実績ができるだろう。……まあ、広島でCAPPを行っている施設は今のところないのだけど。訪問施設一覧*2を見ると地域が物凄く偏っている。多分地元の医師会に働きかけられる人物がCAPP関係者の中にいるかどうかが実施のカギなんじゃないかという気がする。

 実際できるかといえば道程は長いが、とりあえず具体的な道筋は見えた。