大分に行きました(1日目)

 ここ半年くらい、漠然と「大分に行ってみたいなあ」と思っていた。魅力的な産業遺産が大分には沢山あるらしいから、というのが主な理由。しかし日帰りでは時間とお金がもったいない距離だし、かといって宿泊旅行は時間がとれず難しいし。遊びが主目的の宿泊旅行などほとんどしたことがないので、何となく勿体ないようにも思えて気がひける。
 今回大分に行こうと思った直接の理由は、倉地久美夫メインのライヴが大分であるから。連休の初日に開催に開催されるライヴなので、行こうと思えば行ける! 時間・金・意欲、全てのタイミングが合致したこの波に乗ってしまおう!ということで、思いきって行ってみました大分。

別府から大分入り

 連休初日なので渋滞を非常に心配していたのだが、ほぼ定刻に高速バスは別府インターを降りた。別府インターのあたりでえげつないラブホ*1を数軒見かけて盛り上がる。九州に来てから、キッチュの権化みたいなラブホテルを不思議とあまり見かけないと思っていたのに、こんなあからさまなラブホ久しぶりに見たぞ。思えば、この時点で別府がどんな街なのか気づいておくべきだった。

[音楽] 「倉地久美夫祭り」倉地久美夫、山内桂、山本達久、ミワサチコ、山口最中 at at HALL(大分)

 このイベントの名前が「倉地久美夫祭り」だと聞いて過剰に惹かれた。ひな祭りとかチューリップ祭りとか○○祭りと聞くと、全編○○づくしで何だかもうやたらに楽しそうなイベントに思えるのですよ。
 開場時刻きっかりに到着。at HALLはホールというか、小さな舞台と落ち着いた清潔な感じのフロアで構成されたスペースで、照和に行った時のことを思い出したりする。
 本日の主役、倉地さんは開演前からフロアに出て、自作の絵を貼っていた。「I heard the ground sing」のジャケ絵、ライヴのチラシ、漫画、「夢の中で見た」と言う何かの絵(へび?)。この人の描く山の絵は、音が吸い込まれて行くような、山独特のあの雰囲気があっていい。あと個人的には『「♪いいーじまなおーこーがー裸で謝ってくーれーるー」看板とその周辺風景』の絵が見られたのが嬉しかった。件の看板は、山の中腹に立ったあんなに大きな看板だったとは……。そりゃ事故も増えるばかりですな。
 20時を10分ほど過ぎたところで開演。客は20人前後か。最初は若い男の人(山口最中さん?)が出てきてソロ、次にミワサチコさんのソロ、それから倉地さんのソロ。弾き語りを立て続けに3人も見たのは初めてのことだったのだが、言葉の聞き取りやすさ・言葉の力があるかどうかで、弾き語りの印象って大きく違うんだなあ、とちょっと発見。倉地さんは「エリツィン大統領にお酌をしてもらいそうになった夢を見たので、それを歌にしました」と曲解説。そして終了後、「これではあんまりなので、ロシア民謡を1曲演奏します」と続けてロシア民謡。ははは。ちゃんと*2ロシア語で歌っていた。何だかよくわからないけどレパートリー広い。
 その後、先ほどの山口最中さん、ミワサチコさん、それから山内桂さん、山本達久さんも加わって、5人編成で1曲(曲名忘れた)。ミワさんのコーラスが新鮮できれい。何だか早くも大団円の雰囲気。でもまだ中盤。後は倉地さん、山内桂さん、山本達久さんの3人で演奏は続く。ドラムの人はドラムも叩きつつ空き缶を繋いだものを振ったり、ハイハット(というのか?)をスティックでこすったり、色々変わったことをしていた。曲順は忘れてしまったのだが、「ベストカメラ」「8mm監督」「300,000,000粒ダム」……そして圧巻は、本編最後の「あなたの風」。他の楽器が増えただけでこんなに印象が変わるものだとは! この人のライヴを見ると、いつも興味深さや面白さの方が先にたってしまうのだけど、今回はちょっと興奮した。

 ホテルに帰ると、下駄箱と備え付けのスリッパ*3が無茶苦茶臭くてちょっと泣きそうになる。起きてると臭いにやられて精神的ダメージを受けるし、翌日早い予定だったので早々に就寝。

*1:映画「ジュラシックパーク」のロゴや看板を模したホテル「ジュラシック」とか。高速バスの車内放映映画は「ジュラシックパーク」だったので、もしかして狙ったか運転手? とちょっと思った。

*2:本人は「(ロシア語の読み方が)よくわからないところがあるので御存知の方は後で教えて下さい」と言っていた。

*3:入り口で靴を脱ぎ、室内では備え付けのスリッパで過ごすタイプのホテルだったのだ。