足りない方が楽しい
ライヴDVDというものを、どうもイマイチ楽しめない。「今はもう見られないもの」を記録するという意味では価値が高いと思うし*1、記録物として残す意味は勿論十分にあると思うけど、でもやっぱり記録物で音楽を楽しむなら音だけの媒体がいいといつも思う。
ライヴDVDがイマイチ楽しめないのは、音楽よりも映像に注意が向いてしまって、音楽がもたらす作用が半減してしまうように感じるせいだと思う。音楽によって生じる色々なものの印象が薄まってしまうというか。音楽と自分の波長がうまく合うと、色や映像がもやもやと見え始める。見えるものは色だったり粒子だったり、もっと具体的なものであったり、様々だ*2。最近はあまりないけど、空気の質感が変わってしまうように感じることさえある。しかし映像付きで音楽を聴くと、視覚は目の前に映る映像を捉えるだけになってしまって、「見えないものを感じる」機能は俄然鈍くなる。
もしかするとこのような問題は、私が映像に対する免疫があまりないせいで*3生じている、私個人の問題なのかもしれないとも思う。でもやっぱりCDかレコードで聴きたい。