夜水

 豊田道倫のHPのトップ画像が、夜の川沿いの写真に変更されていた。それで思い出したエントリ。

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 夜の川、海、水たまり、雨に濡れた道路、何でも良い。光を鈍く照り返している夜の水(以下夜水)が好きだ。そして、潜在的なファンは割と多いとにらんでいます私。
 最近の大ヒットは、tetraからの帰り道、那珂川にかかる橋に立って見た中洲方面の風景。中洲のネオンが川面に映ってチカチカしているのを見たり、水の音や賑やかな音を少し離れた場所で聞いていると一向に飽きない。兄さん(偽)を案内したい散歩物件だわ*1豊田道倫が川のある繁華街の魅力について書いていたことがあるが、水があると繁華街は俄然色気が増すように感じる。何ですかねアレ。夜水マジック。
 ネオンがなくても、夜水には何だか惹かれるものがある。夜明け前の真っ暗な時間帯に筑後川沿いを走ったことがあるが、あの時も霧を吸ったような湿った空気と、無言で回る堰のランプが水面に映って、何ともいえない雰囲気だった。昔、「夜の海は人を誘うから近寄ってはいけない(=誘われるままに近寄ると命を落とすぞ)」と言われて、なんだか物凄く納得したことがある。危険かどうかの吟味が甘くなるというか、ついフラフラと寄りたくなる雰囲気が夜水にはある。
 で、この「なんだかわからないけど惹かれて仕方ない」夜水達を写真に収めることができたなら、といつも思うのだが、携帯のカメラでは全く撮れない。今はデジカメなら、光量が少なくても撮れるものがあるんだろうか? 夜景をバックに写真を撮りたいわけではないので、手前は明るくしなくていいし。
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 豊田道倫HPのトップ画像は手前の黄色い看板がなかったら、好みど真ん中ストレートだったのだが、この看板の光がなければ、もっと白々とした写真になっていたのかもしれない。目で見た通りに撮れるカメラが欲しい。カメラで撮った写真は、どうしてもカメラを通して見たものになる。それはそれで面白いが、目で見たものをそのまま記憶できる媒体があったら、といつも思う。

*1:兄さん(偽)は夜散歩が趣味の人。