Chicago Club Night #20 Special 2 Days福岡公演(小林亜希子・植野隆司・谷本仰・Night Teller・細胞文学・三沢洋紀) at art space tetra(福岡)
ラブクライの三沢洋紀が来福するというので喜んで*1ポチッとチケット取ってから、このライヴの開演時刻が17:30であることに気がつく。うわ、絶対間に合わない……1時間遅れで会場入りできれば御の字か。
tetraというところ
大分頑張ったのだが、現地到着できたのは結局19時を過ぎてから。どこだどこだtetra、と急ぎ足に歩いていたら、音楽が聞こえてくる建物があって、それがtetraだった。築30年は経っていそうな普通の木造店舗を貸しギャラリーに改装した様子の場所で、音がだだもれ。最近ここで行われる音楽イベントスケジュールをよく見かけるのだが、御近所さんから苦情が来ないか少し心配に。しかしこれだけ音が漏れ出る&狭い空間ならば、生音で演奏するのを見られる機会も多いだろうな。
音楽だけあれば良い
Night Tellerから鑑賞。照明を落とし、手元の蝋燭の明かりを頼りにアコギを爪弾き、囁き声で歌うパーカーのフードを被った男性独り。こんなにぽそぽそした声でもちゃんと安定した音で出力されるものなのか。普段高齢者の音声*2をマイクで拡大する機会があるのだが、いつもうまく拾えなくて苦労するので、囁き声でもちゃんと聞こえることに感心。寝る前に小さーい音でかけて聴きたいなあ。って、それでこそまさにNight tellerだ。フレーズに「I'm sleeping」という言葉が出てきた曲と最後の曲が耳に残った。最後の曲はダニエルジョンストンのカバーだったらしい。あと、Night tellerかあ、わたしゃNight terror(夜驚)*3ですがね、という駄洒落が頭から離れず困る。(誰に謝ってるのかわからないけど)ごめん。
このNight Tellerの時も次の細胞文学の時も気になったのだけど、演奏中に出入りする音に水を差されたのがちと難だった。音がしない時も曲のうちだと思うんだけどねえ。ちょっと嫌だったわ。
それから三沢さん。ラブクライが好きで一時期ホントによく聴いていたのだけど、ライヴに行ったことがないどころか写真さえ見たことがなかったので、どんな人なのか全く知らなかった。初めて見る三沢さんは体が細くて、顎も細い人だった。「歌いたい曲が多くてね、どの曲をやろうかな……」と大学ノートをパラパラまくって歌う。なんともゆるい流れ。今回ライヴで観て初めて気がついたのだが、この人の声って声だけで成立してしまう雰囲気がありますね。すっかり私も毒気を抜かれて、ゆるく鑑賞。先の2組といい三沢さんといい、寝転がって体中の力を抜いて聴いたら気持ち良かろうなあ。寝る前に、ひっそりと聴きたい感じの音楽。しかしこういうタイプの音楽は、音楽があれば私には多分それで十分かもなあ。あと、歌を聞くなら、言葉が自分の中に入ってくるのは当然のことだと思っていたのだが、その「入ってくる」という事態は意外と起こらないことなのだと知る。
最後は植野さんと細胞文学のチェロの人と3人でセッションし、ゆるさはそのまま楽しい雰囲気で終了。現住地の別府で録音したというソロアルバムの宣伝の際「ジャケは別府の将棋ばっかりしている人たちがいる公園なんです」と言っていた。おお、その公園は海門寺公園ですな。あれは異邦人の目から見ると割と衝撃的な絵柄*4だったわ。また別府に行きたくなる。
終演は21時半。終演後、何だか物凄い勢いで客が帰って行ったような気がする。私が物販でCDをちょっと見て、買って振り返ったらほとんど誰もいなかった。うわー、ドリフコントの撤収時みたい〜と思いながら慌てて外に出る。駅までぷらぷら歩きながら帰った。中洲のネオンが川面に映ってキラキラときれいだった。水のある繁華街は良いですな。