朝のニュースで思わぬひろいもの

 朝は普段めざましテレビを聞いているのだけど、今朝のトップニュースが「高2、文科省にいじめを訴える手紙を送る」だったので思わずチャンネルをNHKに替えてしまった。そしたら「今日のレポート」でうきは市田篭(たごもり)地区が取り上げられていた。ラッキー。田篭地区は山奥の過疎地域*1なのだが、その何もなさがいい。携帯の電波も入らず、声も車の音も山に吸い込まれてしまうような気がする静かなところ。水の音、自分の呼吸の音、普段あまり意識しない音を楽しめるところ。水の甘い音が忘れられないところ。「自転車で出かけたい場所ココロのランキング」では常にトップ5入りだ*2
 その田篭地区には、建物全体に対し屋根の比率が異様に高い住居が多い。この分厚い屋根はトタン屋根なのだが、放送によればあれは茅葺き屋根にトタンで覆いをしているらしい。茅葺き屋根は2〜3年に一度茅を葺き直さねばならない。しかしこのようにトタンで屋根を覆っておけば、大分長持ちするらしい。へー。で、田篭地区は地域活性化を目的に「古民家の地域」として町並み保存地区申請を検討しているらしい。しかし、もし町並み保存地区になれば茅葺き屋根を保護しているトタンを外さねばならず、すると必然的に生じる茅葺き屋根のメンテには、一回につき一千万円かかるんだそうだ。ウーム………。
 あんな鉢かぶり姫みたいなトタン屋根の家は今時なかなか見ないのだから、近代遺産ということであの姿のまま文化財扱いにはならないだろうか。駄目かなあ。私は今のままの田篭地区が好きだけど、私のように、大してお金を落とさない客は不要なんでしょうな*3
 もしも田篭地区が観光地になるなら、車が入れないし街灯もない・民家からも遠い場所に簡素な宿泊所を作って欲しい。そしたら季節ごとに私は宿泊所に泊まって、昼は水の音を聞き、夜は夜の暗さを楽しんで過ごすよ。個人的には、木葉館が宿泊サービスを始めてくれたら最高なんだけどねえ。

*1:かつては林業の町だったそうだが、林業の衰退と共に過疎化も進んだらしい。

*2:40kmくらいしか離れていないのだが、普段平地しか走っていないので、30km平地を走った後で山を10km登る自信がない。ヘタレ。

*3:吉井(多分)が町並み保存地区となって観光客が激増したので、二匹目のどじょう狙いで、町並み保存地区となって観光客呼び込みを狙っているというような説明だった。