生き物万歳

 盆休みと私用で三週間休みになっていた日雇い仕事が明日から始まるので、犬をショートステイに預けた。日雇い仕事は朝が早く帰りも遅いので朝の散歩に行けないし、犬を長時間家に単独で置いておくのは良くないと判断してのこと。これから日雇い仕事の時は毎回預けるつもりでいる。初めてのステイ先に犬は最初こそ怯えていたもののすぐに落ち着きを取り戻し、訓練士さんと一緒に門の先の施設へ姿を消した。

 何となく呆けた気分で帰宅し、普段犬がいる時は掃除しにくいバリケンの中に掃除機をかけたり、諸々片付ける。そして、何とも寂しい。こんなにポカンと穴が開いたような気持ちになるとは思わなかった。犬は私がいる時はずっとバリケンの中にいるし、出かけても帰宅しても無反応だし全然吠えないしで、超絶大人しくて手のかからない犬である。犬飼い始めた実感があまり持てんな、と思うくらい静かな犬なのだ。そんな犬でもいなくなったらこのような気持ちになるのだから、普通の賑やかな犬がいなくなったら、どれだけ寂しいことだろう。帰宅を喜び、一緒に何かしようと待ちかまえ、関わればはしゃいで跳ね回る。そんな犬がいなくなってしまった飼い主がペットロスに陥るのは、当然のことのように思える。自分以外の生き物が家にいることって凄いことだ。こんなに自分に影響が出るものだとは思わなかった。