成犬の保護犬を迎える選択肢

 犬を飼おうと思った時、成犬の保護犬を迎える選択肢は大いにありだと昨日の記事に書いた。今日はその理由について書いていこうと思う。

hamahn.hatenablog.jp

 成犬の保護犬と聞くと、何だか魅力半減かもしれない。やっぱり子犬が可愛い、子犬から飼わないとなつかないんでしょ? と思う人も多いだろう。実際、子犬の方が貰い手がつきやすい傾向は顕著に見て取れるし。しかし、私は声を大にして言いたい。成犬はいい! 

まず、子犬より世話が断然楽

 子犬は1日に数回排泄する。しかも、トイレのしつけをつけるまではどこへでも垂れ流しである。今片付けたばかりなのに、すぐその辺に粗相したりする。場所が狭ければうんこを踏んづけてうんこまみれにも平気でなる。体調を崩しやすいのですぐ下痢をする。散歩の仕方も知らないので、首輪に慣れるところから教えなければならない。生活の基本的なことだけでもこれだけ手がかかるのに、(知らないから)噛んではいけないものを噛むし、暇に耐えられないのですぐいたずらをする。

 食事排泄運動健康管理に加えて、飽きないように相手をしてやり、社交性を身につけさせるために他の犬と触れ合う機会を作り*1……って、人間の子ども並みに手がかかるのだ。成犬はこれまでの経験で散歩の仕方も、他の犬や人間との付き合い方もわかっているし、体力があるので体調もそう簡単に崩れない。子犬と比べると、成犬は全然手間がかからないのだ。

良い犬が欲しい人も、成犬を選択肢に

 実のところ私は「どの命も同じ大切な命だから」という生命尊重の理由で保護犬を選んでいない。気質の難しい犬は最初から選択肢に入れていない。私は運動(散歩)さえ十分にさせておけば、散歩以外は仕事をする私の傍らで寝そべって過ごすような犬が良かった。そして、歩こうと思えば延々4-5時間一緒に歩き回れるような体力があり、誰にでも穏やかに対応できる犬が良かった。

 それで、私の犬選びの条件は

  • 神経質でないこと(ひどい怖がりでないこと)
  • 穏やかであること
  • 人と関わる意欲があること
  • 健康であること

になった。あまりはしゃいで跳ね回ったり、ベロベロ舐め回したり、ワンワン鳴いたりするテンションの高い犬も疲れるし、私が犬の要求に応えきれずお互い不幸になることが目に見えたので避けたかった。……今こうして書き出してみると結構注文が多いな。しかし、成犬ならもう性格が固まっているのでこういう犬を選び出すことができる。自分がどういう犬を飼いたいのか、どういう暮らし方を犬としたいのか、どのビジョンが明確ならば自分の希望に合った犬は必ず見つかると思う。どういう犬が欲しいかではなくて、犬との暮らし方のビジョンがないと、成犬は選びにくいと言える。

保護犬は保護犬団体から迎える

 愛護センターから引き取るという手もあるが、私は保護犬団体から迎えることを断然勧める。保護犬団体では散歩の仕方を犬に教えたり、余裕があればオスワリやマテ等、基本的で必要な指示の指導も入れておいてくれたりする。また、どういう性質の犬で、何処からどういう来し方でここへ来たかも把握しているので、こちらの条件を伝えると条件に合致した犬を選びやすい。その中には犬の社交性の評価も含まれるし、見込みがあると判断すれば社交性を高めるために他の犬とのふれあい機会も増やしてくれる。

というわけで

 成犬の保護犬を引き取るという選択肢は割と悪くない。というか断然あり。これを書いている今は成犬の保護犬を引き取って二週間目なのだが、犬は予想以上に手がかからず、穏やかに過ごしている。制止も入るし、他の犬を見てやたらに怖がったり興奮したりもないので、歴代の実家の犬より手がかからないくらいである。まあ「手がかからなきゃそれで良いのか」という批判的な見方もあるが、子犬だったら私はとても飼いきれなかっただろう。私のニーズに合った、良い気質の犬に当たったと思っている。

 

 

*1:これをしないとやたら挑戦的な成犬になったりして、散歩の時に苦労する。