おばはん、若者に甘い

 40代というのは実に微妙な年代だと思う。自分の心身が若くないことをはっきり自覚し、しかしまだそこまで歳を取っているつもりはないのに20-30代前半からは年寄り扱いされる。指示を出す立場になりたくなくても、ならざるを得ない。業務以外のことはフラットにしようと思っても、20代男子の至らなさが気に障る。注意すればうるさがられ、黙っていれば舐められる。どうかすると「更年期?」と、セクハラ+エイジズムの併せ技をかまされたりする。そのくせ、相談や愚痴を一方的に聞かされたりする。割に合わんと思うが、まあ我慢して対応している。

 ところが、同年代の男性が同じようなことをしようものなら、隙あらばやり返す自分がいる。ったく酸っぱい加齢臭漂わせているくせに甘えるんじゃねえよ、と内心毒づいたりする。立場もあるが、20代と同年代とで随分扱いが異なるものだと我ながら思う。20代といえば自分が産んでいてもおかしくない年齢差だし、そんな子どもみたいな歳の人にアレコレ言われても反撃する気にもならない。君らが今の私と同じくらいの歳になったらわかるだろうし、同じように扱われるんだよ、と思えて言う気にならないのだ。しかし思えば、そうやってやり返されない20-30代を経て、今の「しょうもない」同年代がいるのかもしれない。それならば注意したり反撃したりする方が良いのかな。しかしやり返されないから「しょうもない」ようになったかどうかはわからないしな。思いは巡る。