ヤモリを凝視

 今日は朝から雨が降っていて、肌寒かった。車に乗ったところで、ドアの雨避けの下にヤモリがいることに気がつく。サイドミラーの視線上にいたので気がついたが、外から見たら全然わからない位置。そのまま発進したのであるが、雨避けの下でじっとしている。風も雨も当たらないし、良いところ見つけたな。しかし、これから12時間近く自宅には戻らないので、彼も必然的に住み慣れた土地から離れた場所に行くことになるんだけど大丈夫なのか。
 小用で1時間ほど車を止めて戻ると、今度はサイドミラーの付け根に移動していた。そのまま発進すると、雨はなんとかしのいでいる様子だが、風圧で頭と首がグラグラしている。ヤモリが気になって、あまりスピードが出せない。すると、信号待ちで車が止まった間に再び雨避けの下に戻っていた。以前いた場所を記憶していて、方向も認識しているのか。賢いなあと感心することしきり。ヤモリは頭を上向きにしていたので、信号待ちの間にじっくりと観察することが出来て大変楽しかった。普段動きが素早いので、全然見る機会ないもんな。この際なのでジロジロと力いっぱい凝視する。時々出す舌が薄くて桜色してるのとか、瞼を閉じてじっとしてるのとか。窓越しに指を押しつけて、体温を分けてやったりもした。寒いだろうし。
 次に車へ戻る時はもういないだろうなと思った通り、仕事を終えて車へ戻るともういなかった。ちょっと寂しい。