被差別の食卓
日本なら被差別部落、外国ならロマとか黒人とかアウトカーストの人とか、差別を受けてきた人々の食文化を紹介している本。本の内容自体は凄くシンプルで、1時間もあれば読めてしまう。「ソウルフード」という言葉の意味、フライドチキンはアメリカの被差別民の食事が起源、などちょこちょこトリビアもあって面白かった。
自分達の食事を被差別者の食事として取材しに来たヨソモノ(しかも外国人)に、よく教えてくれたものだと思っていたら、筆者も被差別部落出身者であったことが取材の鍵になっているし、執筆の動機にもなっているようだった。
私は自身も周囲の人達も含めて部落差別に触れたことがなく*1、それが非常にデリケートな問題であるらしいという漠然とした感覚しか持たないので、筆者がこの本を書くことになった動機とは一体どんなものなのか、本からは推測しきれない感覚にむしろ思いを馳せたのであった。「読んだ」けど、大事なことは多分全然理解できてないんだろうな。
- 作者: 上原善広
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/06/16
- メディア: 新書
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