昨夜からずっと頭痛が続いていて、朝になっても治まらなかった。頓服で落ち着く。あまり意識はしていなかったが、案外神経質になっているのだなと思った。

声の記憶

 祖父の遺体が自宅から霊安室に送られるということで、葬儀屋の人がやってくる。人前で泣くのは大変恥ずかしいので、祖父の顔を見てももう平安を装っていられたことに安堵。死出の衣装を身に付けさせる儀式のようなことを行う。頭に三角のをつけて、手甲に脚袢を着け、草鞋に笠を入れ、数珠を持たせ。家族の各々がそれらを一つずつ身に付けさせるので結構時間がかかる。それを見ているうち、祖父の声で「あらっ、私は何故こんな格好を? あーあ、私は死んだんですか、なるほど、はあはあはあ、死出の衣装ですな、はっはっはっは」といかにも祖父が言いそうな言葉が脳内で回って*1、涙が滲んだ。私の頭の中では、祖父の声がはっきりするのに、実際に声を聞くことはもう二度とないと思うと妙に重かった。
 妹も「死装束纏い儀式」が堪えたようで、棺を送り出した後は疲れた表情だった。祖母は「最近の葬式はあんな衣装をキレイにつけさせて、さすが金商売だね、昔はあんなんなかったよ」と感心することしきり。さすが人生の先輩、セレモニーの雰囲気に流されたりしません。葬儀屋の思う壺です私。まだまだ人生一年生。

*1:妹に話したらバカウケだった。「それで、やってきたお迎えに『やっ、どーもどーも。すいませんなあ』とか言うんだよね」と妹。