ロードムービーのような

 先輩の友人宅にて目覚め、酒が微妙に残ってんなあと思いながら茶をすする。酒と汗で体がべたつくし、疲労で頭は重いしでのろのろと帰路。私がルートを考えておけと言われた、問題の帰路でもあるわけだが、結局、天気もいいから海行きますか。みたいな話になり、志摩町の方を通って帰ることになった。
 小倉と志摩町といえば、福岡の東の端と西の端で、遠いなあと思っていたら、先輩が筑豊を通って志摩まで行こうと提案してくれる*1。香春岳(かわらだけ)が見られるコースで志摩まで行くことになり、ちょっと元気に。香春駅前(香春岳がよく見える地点)に先輩が車を止め、デジカメを貸してくれた。香春まで来る機会なんてなかなかないので、嬉しくて私は大はしゃぎし、さっそく山と近隣の工場を写真に収めた(写真はhttp://d.hatena.ne.jp/hamahn/20050516に貼った)。
 延々車で下道を行き、3時過ぎにようやく志摩町の名勝・芥屋の大門に到着。海と空も青く、2つの境目は曖昧で物凄く綺麗。その後先輩推薦の寿司屋に移動して遅い昼食をとった。写真は私が注文したちらし寿司*2
ちなみにこれで1050円。安っ。
 志摩からの帰路は、佐賀県の富士町というところを通って帰ることにする。この途中に温泉があり、先輩が温泉に入って帰ろうと言った。私も先輩も夏のような日差しの強さにやられ、車内で蒸されて既に汗びっしょりだったので、疲れていたが身体のべたつきを考えると温泉も悪くないと思ったので承諾した。
 地図の通りに走っていくと、どんどん山の中に入っていく。なんかすげえ山ん中ですけど大丈夫なんですかコレ。私はあなたの言う通りに進んでいるだけよ、あなたこそちゃんと地図見てる? と長屋の八っぁんと御隠居みたいな会話。いつの間にか空も曇り……ってもう6時半ですもの、日が暮れかけている。温泉は既に営業時間が終了しており、入れなかった*3。がっかりすると一層疲労が増し、私も先輩も沈黙しがち。周囲の開発中の風景(富士町のダム:後述)が、またイイ感じで重い気分を促進。
 あと30分くらいで自宅到着かというところまで来たところで、ファミレスで休憩する。先輩と向かい合わせに座ったところ、彼女が目の下にクマをこしらえ、げっそりと疲れた表情であることに気がつく。私も疲れているので、あまり喋らずアイスクリームを食べた。このテの安っぽい場所で、安心できる人と2人で疲れ果てて黙って座っているという状況は実は結構好きだったりする*4。店の内装が白っぽいので、顔色が悪いのがますます映えるなあ、なんて感心したりした。しかし先輩のあまりの疲労ぶりに、先輩とはここで別れてバスで帰ることにした。そうすれば、先輩は私を送る手間が省ける。
 帰宅して風呂に入ると物凄い眠気がきて、泥のように眠った。

*1:私は筑豊地域に強い関心がある。

*2:ちらし寿司を食べる時は、ご飯だけ残らないようペース配分に気をつけるものだけど、このちらし寿司は魚が多くて、むしろご飯が足りないくらいだった。魚も新鮮で美味しかったんだけど、具とご飯の間に乗せてあった濃い味の刻み昆布(佃煮みたいなの)で台無し。昆布の味付けが強くて、せっかくの魚の味が半減してしまっていたのが残念だった。

*3:富士町の温泉街、古湯温泉と熊の川温泉はひなびた山の中の温泉街という感じで、昭和の雰囲気。お好きな方にはたまらないのでは?と思った。

*4:あまりイイ趣味ではないと思う。