漆器の弁当箱といい日旅立ち

 昨年の冬、先輩の旦那の実家を処分するということで、様々な家財道具をいただいたことがあった。その家は医院をしていた家で、奥様(つまり先輩のお姑さん)は茶器や食器を買うのが趣味だったそうな。箱詰めの食器セットやティーセット、銘入りの木箱に入った茶器がごろごろとあった。
 私は茶器などにとんと興味関心がないので、布団と本棚と弁当箱をいただいて帰ってきた。弁当箱は高さ20センチ弱、直径10センチ程の卵形をした3段お重で、一番上の段の蓋はお椀になっていて汁物も飲めるようになっている仕組み。一番上の段だけが朱塗りになっていて、先述のお椀部分にちょろっと楓が描かれている。この弁当箱、使う機会がなく、貰った時の箱詰めのまま放置していた。
 しかし今朝ご飯を炊いていたところ、昨夜作った野菜炒めがたくさんあることだし、師匠のところへ行くのに今日は炊き立てご飯と野菜炒めを持っていくことを思いついた*1。我が家にやってきて早10ヶ月、ついに弁当箱出動である。早速一番下の段に野菜炒め、二段目の段にご飯を詰めて行った*2
 昼食時、弁当を電子レンジで温めようと思ったが、弁当箱ごとかけても大丈夫なものかわからない。師匠に尋ねると、漆器は電子レンジにかけては駄目だと言う。食事を終えて洗う時も、洗剤で洗って良いのかわからない。これまた師匠に尋ねると、

  • 洗剤で洗うのは大丈夫。表面に傷をつけないようにすることに留意する。(だからクレンザーや磨き粉、スポンジの硬い方等で洗っては駄目)
  • 漆器は湿気には強いが乾燥には弱い。だから電子レンジも駄目だし乾燥機も駄目。

という、留意すべき原則2点を教えてもらう。なるへそ。更に「良い物は大事に使えば長持ちするわよ」との激励の言葉もいただく。弁当箱といえばカバンから出し忘れて洗い損ねてカビを生やしてしまう、という弁当箱キラーだった私だが、使用にちょっと緊張感を伴う弁当箱の登場で、弁当箱キラーから足を洗うことができるようになるかもしれない。
 まあ、それは次に弁当を持っていく機会が続かないとわからないことなんだけど。 
 

*1:普段師匠のところへ行った時の昼食はカップめんである。

*2:一番上の段には何も詰めなかった。結構な量が入るので二段分の食事量で十分だと思ったのと、新たに何か作って詰めるのも面倒だったので。