そういえば11月はアルコール関連問題啓発週間があった

鳥頭紀行 ジャングル編―どこへ行っても三歩で忘れる (角川文庫)
 西原理恵子の「鳥頭紀行」愛読者にはお馴染み「ほもかっちゃん」が亡くなった。

時に激しく、時に鋭く時代を斬ってきた勝谷誠彦さんが28日未明、肝不全のため亡くなった。57歳だった。文藝春秋に入社し、記者として活動後、コラムニストとなった勝谷さんは、テレビの討論番組などで活躍した。最近は飲酒の影響で肝臓を悪くし、入退院を繰り返していたという。

【報ステ】勝谷誠彦さんが肝不全で死去 57歳テレビ朝日系(ANN) 2018年11月28日の記事)

 亡くなるまでの凄まじい経過をこの辺の記事で読んだ。この記事を短縮してまとめた「酒と戦わずして敗れたコラムニスト」という気の利いたタイトルの記事も読んだ。今まで読んできたのはアルコール依存からのサバイバー達が執筆したものばかりだったので、アルコール依存から死へ一直線にひた走る過程とはこんな風なのかと戦慄する。
 で、この訃報に関連して過去に掲載されたアルコール問題の記事が浮上していた。

通常の缶チューハイとストロング系のアルコール度数の数%の差は、想像以上に大きい。それにもかかわらず、缶で販売されているので「度数が高いから、半分だけにしておこう」とはならない。しかも、甘みや炭酸特有の爽快感もある。その結果、つい飲みすぎてアルコール依存症の入り口に立ってしまうのである。

ストロング系缶チューハイ、なぜアルコール依存症患者増加?「缶」ゆえの危険性、がんリスク増も: Business Journal 2018年7月12日の記事)

 チューハイは後味に来るアルコール臭が不快で美味しくないし、こんな美味しくない物を飲んで酔ってるのかと思うと何だか惨めな気持ちになるので、全然食指が伸びずに来た。それで気づかなかったけど、今はこんなことになっているのか。
 今日ディスカウントストアに寄ったら、「99.99」という名前の黒い缶チューハイを見つけた。何が99.99%なのかと思って調べてみた。

99.99%の高純度ウォッカがCHU-HIを変える。
サッポロチューハイ99.99(フォーナイン))

 使用するウォッカは(純度を高めるために)二段階の白樺ろ過を行うと謳っていた。しかし、それならもうエタノール入れた方が早いんじゃないかとか、チューハイの美味さ向上には、アルコールの純度よりも他の部分の向上が必要なんじゃないか(だって飲料中91%はアルコール以外の成分なわけだし)とか、何だか色々渦巻く疑問。そしてこういうお酒が人気というのは、速く安く酔いたいという潮流があるのかなあ……。90年代のロシアみたいだなオイ。切ない。お酒はね、やっぱり美味しい日本酒ですよ。食事と飲んで良し、持て余したら料理酒に使って良し。といいつつ、何だかんだで日本酒の方がストロング系チューハイよりも度数は高いので、気をつけないといかんな。
 しかし、「飲んだくれて色々馬鹿なことをやったダメダメ顛末記」みたいなものに、「全くしょうがねえなあ」という愛おしさを感じていたものだが、今回のかっちゃんの死にはそのような無頼のカッコ良さとか粋さ、愛らしさを全然感じない。ちょっと引いている。どんなにみっともなくても、生き延びてこそですよ。この辺の分別臭さは、自分が年をとったせいなのかな、と思ったりなんだり。