ジヌよさらば ―かむろば村へ―

 いがらしみきおの原作は既読で、映画化されていることを知り観賞。阿部サダヲは大好きだけど、与三郎を演るには体脂肪が足りない。青葉ちゃんの美人局をやっていた荒川良々も体脂肪が足りない。安定の面白さだけど、圧倒的なサイズの巨体が暴れる可笑しさと迫力と恐怖を表して欲しかったな〜。与三郎役は誰が適任かを延々考えていて、映画の前半は過ぎた。ホンジャマカの石橋さんとか、プロレスラー*1とかにやってもらいたかったなー。
 あと青葉ちゃんが、二階堂ふみが演じることで、魅力的な小悪魔女子高生になっていたのも惜しまれた。清純さと若さしか取り柄がなく、虐待の被害者である女子高生が、実は打算的で、単なる犠牲者ポジションに留まらない辺りが味わい深くて好きだったのに。
 しかし、こうして自分の感想を振り返ると、意外に自分はいがらしの原作が気に入っていたのだと気づいた。映画の感想が、まるっきり原作厨のそれだもんな。原作よりも面白く作るのは難しいのだなあと久しぶりに思う。

*1:DDTの入江くんとかが私のイメージ。