機器の進化についていけない

 新幹線の出発時刻まであと5分。急いで切符を買って改札へ行くと、何やら改札が混雑している。見ると、3台あるうちの改札機は調整中で、2台の改札機前でおばちゃん4人が立往生していた。彼女達は新幹線に乗るのが初めてなのか、改札機の使い方がわからず困惑していたのだった。「切符を2枚入れるの? どうするの?」とか相談し合っている。そして改札機前をガッツリ塞いでいるので、誰も改札を通れず渋滞が起きていたのだった。「一度に2枚入れるんですよ」と言っても、「え? え?」と聞き返すばかりで、要領を得ない。埒があかないし、このままだと乗り遅れる! そうこうしているうちに調整中だった改札機の調整が終わったので、こちらを通った。
 おばちゃん達は途方もなく迷惑だったが、「文明の利器の進化について行けない」という点で、まるで他人事と思えなかった。困った時に一先ずどう対処するか、どの場合にも共通する対処法(一度端に寄って全体を見る、時間ギリギリで動かない)を持っておくようにしなければならないかなあ。あと、便利な機器はどんどん開発されるだろうけど、日本が高齢社会であることを考えると「あえて」20-30年前の機器を使う方が、ユーザーの利便性は反って高いんじゃなかろうか。