あの人は今
うつらうつら眠っている時というのは、ずっと頭の中で話し声がしている。今回はどういうわけか「尾崎南って今何してるの? BRONZEって結局完結したの?」だった。
吹けよ風、呼べよ嵐。設定やストーリーの無茶さも何のその、「愛とは独占と束縛!」な二者関係の濃密さ、しょっちゅう人が死にかけたり死んだり、強姦されたり腕を切断したりショッキングなイベントの連続で、息つく暇もない展開。読者の感情を激しく揺さぶることに特化した造りで、あの勢いに呑まれていた。
どうして急にBROZEなのかわからないが、思い立ったら気になって、ネットで少し調べてみた。BRONZE、「最終章」と銘打った本が出ているが、ファンと作者はまだ終わっていないような認識らしい。そして、マーガレットコミックスとはブランドはおろか出版社も別の会社から出ているらしい。色々あったんだろうなあ。考えてみれば最後にコミックスを読んでから16年経っているわけだし。
ファンサイトや作者当人のインタビューを読みながら、そうか、拓人は脊損だったかー、それじゃあサッカーどころか日常生活も厳しいだろ、また桁違いの能力持ちが出てきたのかーとホゥホゥ感心する。しかし、「ただ"感情をゲロしている"だけなんですよ。自分の中にあるものしか描けない」のであれば、あのテンションを保ちながらストーリーを完結させようとすると、作者死にそうだなあとも思う。