互いに脛に傷持つ身

 父が亡くなる夢を見た。私は実家に帰省中で、親戚一同に私も揃い、すっかり御機嫌になった父は酒を大いに聞こし召してダイニングテーブルに突っ伏して寝てしまう。母が「部屋に帰って寝なさいよ」と声をかけて、何だかいつもと様子が違うことに気がつき慌てて救急搬送→そのまま死亡、という。まさかこんな急に亡くなるとはね、と通夜の後叔母と話していて、父と最後にどんな会話をしたのか全く思い出せない自分に気がついた途端、物凄く悲しく情けなくなってボロボロと泣いてしまった。ココロの中にある地獄の釜*1がグワッと開いた感じがして、もうガンガンに泣いた。
 目覚めたら布団の中だった。母が父に声をかけるまでの流れは幼少期からずっと見てきた王道パターンなので、本当に夢だったのか、それとも既に葬式を済ませて名古屋に戻ってきているのかしばらくわからなかった。こんな風に父が本当に亡くなったら、私はずっと後悔するだろう。夜電話すると、「おう」と父。生きてた。そしてやはり酔っていた。父さんが死ぬ夢見たよ! 酔っ払ってそのまま死ぬ夢で、あんまりリアリティあり過ぎて、物凄く泣いちゃったよ! あんまり酒ばっかり飲まないでよ、もう若くないんだから!! と一気にまくし立てると、「そんなに俺が心配なら、なんで正月帰ってこなかったんだよバカヤロー!」と父の反撃。うん、そこはまあ。

*1:普段はあまり体験しないようにしている、色々な感情がしまわれているところ。