師走のクミオラ 三都市ツアー(倉地久美夫 波多野敦子 イガキアキコ)at K.D.Japon(名古屋・鶴舞)
「いいえ、とんでもございません 2014総集編」と銘打った年末の倉地さんライヴ。新作「いいえ とんでもございません」のレコ発の一環らしい。名古屋で倉地さんを見られるとはね、ということで、帰省を考えていた時も自転車旅行を決めた時も、倉地さんのライヴを観てからと決めていた。
セットリストと感想は以下の通り。
- 集え能古島の夏
- 味噌がいっぱい
- エリンギの鬼
- 30000年後
- 御世話になった人へ
(休憩)
- にょりょり
- 臨終
- タイトル不明(カバー)
- ゴールデンブラウン(ストラングラーズのカバー)
- 大沢あつし君
- ラブストーリーは突然に(アンコール)
- 客は15人程度。
- 禁煙と注意書きが出てた。あれ、倉地さんって喫煙者じゃなかったっけ? と思ったら、倉地さんは外に出て煙草を吸っていた。波多野さんがひどい風邪を引いていたようなので、そのための禁煙措置だったのかな。
- バイオリンとヴィオラ?で、曲が膨らむ。時にはギターがリズムを取り、前者2楽器が主旋律を取ったり。コーラスのようだったり。曲が広がって、つい聴き入ってしまう。
- ストラングラーズのカバーはパンクな雰囲気ゼロ、フォークロアの香りする仕上がり。物憂くて切ない旋律が、ああイギリスだなあという感じ*1。ちょっとモノクロームセットとか思い出した。
- 各楽曲について、その曲にまつわる小話を披露していた。
- 味噌がいっぱい:フンドーキンのCMソングを想定して作ったらしい。あら、似たようなこと考えてたぞ私。しかし「脳味噌の中が臭くなる」CMソングはちょっと……。
- エリンギの鬼:相撲好きのタクシー運転手に相撲取り(栃の富士?)と間違えられたらしい。倉地さんは物凄く細身なのに何故。そして「相撲取りは目立つので大変なんですよ、なかなかキャバクラにも行けないんです」と相撲取りの苦労について聞かされたらしい。何故キャバクラ? ははは。普段はエリンギの姿で過ごしているが、興行のある日はプロレスラー「鬼」に変身するというこの歌は、日常がジワジワと変形していく倉地節の王道で大変好き。
- 30000年後:映画で古木の精の役をすることになり、初めてのアフレコにわくわくして行ったら、監督の家で炬燵に入ってアフレコで拍子抜けしたとか。
- Golden Brown:イガキさんと「共通して把握している曲をしよう」という話になった時、どちらもパンクが好きだったという流れでこの曲をカバーすることになったとか。倉地さんとパンクって、何か想像がつかないんだよなあ。しかし倉地さん、若い頃は「主義者」というパンクバンドもしておられたそうで。バンド名だけで笑ってしまう。主義者っていかにもだよなあ。
- 「庭にお願い」上映館の下見を頼まれ、行ったら日活ロマンポルノの上映館で怯んだという話をしていた。シネテリエ天神のことだと思うんだけど、今まで行ったことがなかったんだろうか? 夢の話?
- 最新作「いいえ、とんでもございません」のレコ発的ツアーなのに、最新作持参し忘れたそうな。
倉地さんは建築会社の課長をしていると聞いたことがある。自分が会社の部下だったらどう思うかなあと何だか物凄く考えてしまった。自分の日常の一部に組み込まれている課長が、こんな奇妙な歌と曲を鳴らしているのを観たら、自分の知っている日常とのギャップに軽く混乱するだろう。そう考えると、「エリンギの鬼」は倉地さん自身かもしれない。