別府(鉄輪)へ

 ということで、この連休はNさんを誘って別府に行くことにした。

あらやだ可愛い

 この日、Nさんは夜勤明けだった。行きのバスの中でNさんが気安く眠れるよう、私は本を持参していた。「眠くなったら寝て下さいね! 私は本を持ってきているから気遣い無用ですよ!」ともアピール。Nさんの反応はいつもと同じく薄い。
 バスに乗って数十分後、Nさんがウトウトし始めたので、すかさず本を開くわたくし。うつらうつらしては時折目を開けることを繰り返していたNさんは、私が開いていた本をちらっと見て、字がいっぱいですね、と言うと、ニヤッとして私に囁いた。
「うんざりする」
これが他の人なら気に障っているところなのだろうが、何だか妙に色っぽいやら可愛らしいやらで、再びウトウト眠り始めたNさんにどぎまぎしてしまった。

皮肉な結果になった南アフリカの黒人政府の章を読んでいるうち、私も眠った。

リニューアル鉄輪

 数年ぶりの鉄輪は、地獄蒸し体験工房というのができていた。ここで食材を購入し(持ち込みも可)、釜を30分500円で借りて地獄蒸しを行えるというもの。昔ながらの湯治宿のパターンで、地獄釜を使って三食自炊するのはタルイ、でも地獄釜も体験してみたい……という人向けだろう。手軽に地獄釜を体験できるようになったのは、周囲にある昔ながらの湯治宿にとっては痛手だろうなあ。

久しぶりの宿

 初めて鉄輪に泊まった時に使った宿を今回予約していた。玄関先で大声で呼んでも、女将さんが出てこない。耳が遠くなってるのかも。例によって一番見晴らしの良い部屋に案内してもらって私は満足だった。しかし部屋に着くなり、女将さんに「じゃ、ポットのお湯汲みについてきて頂戴」と言われたのがNさんにはかなりショックだったらしく「凄いですね……」とポツリ。引くレベルでセルフサービス体験させてごめん。
 温泉巡りに出発する際、鉄輪地区の諸施設の割引券があったら欲しいと女将さんに伝えると、私の言葉には全く返答せず「袋をあげようね」と濡れタオルを入れるための袋をくれる女将さん。調理を始めた時、借りようとした菜箸はカビてた。
 ここの釜は凄く格好良いし、備え付けの風呂には蒸し湯があるし*1、部屋には温泉を利用した暖房器具もあるし、好きな設備が沢山あるから迷うけれど、次は別の宿にする方が良いのかもしれない。

*1:近くに公共の蒸し湯もあるが、宿の蒸し湯は人の出入りが少ない分乾燥していて熱く、大変気持ち良かった!