「庭にお願い」 at ソラリアシネマ

 11月末で閉館するソラリアシネマにて、ようやく念願叶って鑑賞。もう少し早いうちに観に行きたかったのだけど、仕事の都合が全然つかず本日ようやく。
 心に刺さったのは、家出して菊地成孔の家に居候していた倉地さんが福岡に帰って就職し、しばらくして再び会ったら音が深化していた、という話。「普通、働き出して社会に出ると、天才の部分は失われていくんだけど、もっと凄くなってきて帰ってきた」という菊地成孔の言葉は非常に印象的だった。私はここ数年仕事が頭に占めるウェイトがどんどん大きくなってきてて、ここ数カ月は仕事以外のことを考えなくなっている。今は色々な物への興味を失ってきつつあり、何かをブログにまとめることすら全く出来なくなっている。なので、「普通の生活」を送りながら「普通の生活」以外の部分へ関心を向けて新しい物を作り続けることが凄いことであるというのは、何だか胸にしみて理解できるものがあった。菊地成孔の書くものや発言はスノッブな臭いが強くて今まで好きになれなかったが、初めて見直したぞ。後半多くの尺を占める菊地・外山・倉地トリオの演奏も凄く良かった。機会があったら是非生を観たい。
 他はヒゲの未亡人の人太ったなあとか、若い頃の倉地さんキレイだなあとか、「あの人は今」と「秘蔵映像」的な楽しみ方が大半。アジャクレヨンズ(バンドスタイルの倉地さん!)で最後にギターのネックを下に降りおろす倉地さん見てニヤリとしたり、倉地さんが語るお父さんとのエピソードや学校の話にしんみりしたり*1
 これを観て倉地さんへの理解が深まったかといえば、そんな感は全くないが*2、とにかく気になっていた作品が見られて、ようやく胸のつかえが下りた。

*1:甘木は未だに割と封建的な土地柄だと聞くので、当時「絵描き」という珍しい稼業の家は大変だっただろうと思う。

*2:相変わらず訳がわからんままという感じ。