近縁累々

 農協の産直にパール柑を買いに行く。去年は異常気象と言われていたから出来が心配だったのだが、今年の出来はまずまずのようで、1個50〜60円程度で購入できる。台風がほとんど来なかったのが良かったのかな。台風の被害が大きかった年は、実がだいぶ落ちてしまったそうでほとんど出回らなかった。
 産直の野菜は大抵ラベルにその商品の名前が手書きで書いてあるのだが、今日パール柑だと思って手に取った蜜柑のラベルには「金光寺」と書いてあった。えーと……金光寺ってもっと小振りだし、オレンジがかってなかったっけ。ネーブルの近縁種だってきいたことがあるし、橙の系譜に連なる蜜柑だろうから、こんなザボンぽい姿じゃなかったと思うんだけど。店のおばちゃんに確認するも「金光寺ってもっと小さかったような気がするんだけど、生産者の人がパール柑って書いてるからそうなんでしょうねー」「わからないわー」とケラケラ笑うのみ。相変わらず大らかな土地柄*1。とりあえず購入。金光寺だったら酸味と苦みが結構強いはずなので、食べればすぐわかる。
 気になるのでネットで調べてみるが、金光寺についての博物学的な知識はほとんど出てこない*2。そして、写真で見ると似た蜜柑が多過ぎる*3。実物で見ると結構違うんだけどね……。雑柑は交配して作りだした新種も多いし、同じ蜜柑を別の名前で呼んでいる品種もあるので、もう本当に訳が分からなくなってくる。
 雑柑類の系譜図ってどこかにないんだろうか。蜜柑の品種改良の本とか見たらあるんだろうか?

*1:考えてみると「偽装表示だ!」とか言われかねない出来事だが、この緩さが好きだったりする。

*2:金光寺についての情報はないが、いくつかの雑柑に関する資料は見つけた。

*3:こちらのサイトで紹介されていた雑柑類も、皆名前は聞いたことがあるものばかりなのに、どれがどれだか区別がつかない。