世はイヴ、そして私は餅を食う

 餅が好きだ。特につきたて餅、それも木臼と杵でついた餅が好きだ。餅が好き過ぎて、近所の団地の親睦餅つき大会に参加しようとし、「団地の住民以外の方はちょっと……」と断られたことがあるくらい好きだ。
 世間はクリスマスイヴ、ラジオは昨日から今日に至るまでクリスマスソングばかり流している。そんなクリスマス一色のこの日、仕事先で餅つき大会があるというので喜んで参加することにした。餅は業者がついてくれるらしいが、つけと言うなら喜んでつくよ! ハイヒール履いてるけどな!
 というわけで、餅を食べるためなら心許ない足もとで餅をつくことさえ辞さない気概で餅つき会場に臨んだのだが、あっさり配られるつきたて餅。あら。拍子抜け半分、つきたて餅を貰えた嬉しさ半分で餅を食べたのだが……これがびっくりするほど宜しくなかった。米が半殺しになっててブツブツしており、食感が悪い。ウーム。おいしい餅につきあげるのは意外と大変なのかもしれない。ダマだらけの餅を食べつつ、どうにも不完全燃焼のわたくし。むむ。