仁 -JIN- 1〜8
職場の休憩室に置かれているのを読み始めた。ここで読み始めたことにより、本作を原作にしているのが現在放映中のTVドラマであり、内容がハードボイルド刑事物ではなかったことを知る。
「脳外科医が幕末の日本へタイムスリップ」とは、見ただけで読む気が消失する設定であるが、実際読んでみると面白い。医療漫画は救えない命、様々な人生の重さとやるせなさ、誰が正しいともいえない様々な価値観の葛藤と対立がしばしば描かれて重〜い気分になるのだが、この漫画はそれが殆どない。必死で救命した命は大抵助かるし診断ミスも医療ミスも起こらないし、主人公は慢心しないし評判は上るばっかりだし、節々で綺麗な女性と知り合っても羽目を外さないし、安心して楽しめる。坂本竜馬が胡散臭いゴロツキ風で登場した時は二重の意味でワクワクしたが*1、その後は好人物として登場してるしなあ。
この「どの要素も程々楽しめる程度に含んでいる」造りは、島耕作に似ている。決して汚れない有能な人物、時々ハラハラさせ、理不尽な不幸はなく美女にはモテモテ。そうか、ヤンジャンの島耕作かと思ったら、色々腑に落ちた。
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読むと重い気分になる医療漫画といえば私はこれ。↓
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*1:1つは主人公が「歴史で描かれた通りの人物ではないかもしれない」と警戒したのと同じ先の見えなさ。もう1つは、このまま得体のしれないゴロツキとして描いたら、全国の竜馬ファンから苦情が殺到するのではないかというハラハラ感であった。