怒りの行方

 帰宅時、自宅の塀に立ち小便をかけているおっさんを見つけた。ああ立小便か、今時珍しいなあ位にしか最初は思わなかったのだが、おっさんが私を見て急にそわそわし出したので段々頭が働き始める。このそわそわぶり、おっさんは悪いことだと思いながら、ここで放尿していたのだろう。おっさん気まずいなら放尿するなよ! トイレまで我慢しなさいよ! 今日び犬だってトイレをしつけられるこの御時勢に、住民の迷惑も考えず放尿するとは犬にも劣るぞその振る舞い!とか思っていたら、段々怒りが湧いてきた。
 あー、おっさんの周りを回ってひやかしてあげれば良かった。ではどのように冷やかせば良いのか? 「北斗の拳」の冒頭に登場する雑魚風にけたたましく冷やかすのはどうか。「ヒャッハァー! こいつ小便してるゼエエエーッ!?」とかどうだろうか。動きはどうするか。クマのAA(下記参照)風に動いてはどうか?

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        し  )).         ::i      `.-‐"             J´(( 
          ソ  トントン                             ソ  トントン 

 こんなことを考えているうちに、怒りも不愉快さも何処かへ吹っ飛んでいった。ある意味得な性格してるな自分、と思った。

北斗の拳 1 (集英社文庫(コミック版))

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