レオナール・フジタ展 at 上野の森美術館(上野)

 昨日駅の構内ポスターで知った、藤田嗣治の展覧会に行ってみた。長らく行方不明になっていた2枚組みの大作2点が発見され、修復作業を終えて日本へやって来る!(これが最初で最後かも!)というのが売りらしい。ほほー。
 開館10分前に行くと既に20人ほど並んでいた。おおさすが東京、人が多いぜ。入場後の行為についての注意書きもかなり細かい。「撮影・飲食・模写禁止」はわかるにしても、「ボールペン・万年筆でのメモ禁止(鉛筆は可)」は何故なんだろう??
 藤田の絵をちゃんと見たのは初めて。裸婦、猫は勿論、晩年近くになって急に増えた子どもの絵が目を惹いた。目尻がつり上がり、口元が幼児らしくふくれた、独特の表情の子どもたち。いつまでも見ていたいような気持ちにさせられる。今回の目玉だという、2枚組の大作は、体つきが男女問わず妙にムキムキしており、見ているうちに頭がクラクラしてきて、何が何だかわけがわからなくなる。頭がクラクラしたのは大きいものを近づいて見過ぎたせいかもしれんが、人が多いので離れて見る余裕はなかった。
 藤田が晩年近くになって宗教画を多く描いていたというのは物凄く意外だった。無茶な遊び、5回の結婚と、藤田とキリスト教とはまるで無縁のイメージがあったのだが……教会まで建てていたとは。どういう心境の変化だろう? 彼にとってキリスト教とは何だったんだろう、そもそも信仰とはなんだろう? と不思議に思う。宗教についても藤田自身についてもまるで知らないことだらけなのでまるっきり考えは進まなかったが*1

*1:ちょっと彼の書いた本を読んでみたくなった。