僕達はみんな だんだん歳をとる

 最近dipのメジャー1st「I'll」(94年発表)を聴き直したところ、「君と僕」な歌詞も鼻にかかったようなヤマジの歌声もこっぱずかしくなってしまって、うわあもうこれは聴けんなあと一人悶絶してしまった。元々気恥ずかしいアルバムではあったのだが*1、久しぶりに聴いてみて、恥ずかしさの閾が聴くに耐えないレベルになってしまっていたことに気がついたという感じ。好きになったものはずっと好きでいたいのに、そうはならなかったらしい。
 で、昨夜深夜作業をしている時、dipの「funmachine」(04年発表)をかけたらびっくりするほど良かった。深夜作業をしていると疲労と過覚醒のせいで、頭がぼんやりしているような、でも熱っぽくて全然眠気が来ないような、そういう妙な感じになるのだが、その熱がスーッと引いていくような感じ。あれ、こんなに聴きやすいアルバムだったっけ。1曲目の「Slower」は好きだけど、残りはあんまり印象に残らないようなアルバムだったのに。
 好きなものを好きでなくなること、好きでなかったものを好きになること。私の生活スタイルはここ10年近くほとんど変わらないので私自身もあまり変わっていないように思っていたのだが、変わって行ってるんだなあとしみじみ。そして、dipの現在の流れよりずっと遅れてはいるが*2、歳をとったdipを楽しめることを嬉しく思う。

I'll slip into the inner light

I'll slip into the inner light

Fun Machine

Fun Machine

*1:メンバー全員マッシュルームカットになっていたり、妙にクリアーな音だったりして、売り手の意図が露骨に見える様子が当時から気恥ずかしかった。

*2:現在の最新作「feu follet」まで聴くのが追いついてない。

feu follet(フ フォレ)

feu follet(フ フォレ)