沈んで行く

 母と電話で話し、今週は数日東北へ出張する旨告げる。私は地震のことを気にしていたのだが、母は意外に平静だった。私が心配するような事項には、母は大抵大騒ぎするのだけど。
母「で? 飛んで行くの? 走って行くの? それとも沈んで行くの?」
 「沈んで行く」とはフェリーのことだと気がついたのは数秒後のこと。
私「沈んで行くと3日はかかるから飛んでくよ。大体沈んでないよ浮いてるよ! 沈むとか縁起悪いからやめてよ、もー」
母「あんたいつも2等船室で行くでしょ、あれ船底でしょ。沈んでるじゃない。」
 母の中で、2等船室のイメージは第二次世界大戦以前のままらしいな、と考える。