米が一番、米さえあれば何でも食える……が。

師匠邸に送られてきたという米を、師匠がおすそわけしてくれる。米が多くて持て余しているらしい。魚沼産コシヒカリだそうだ。う・わ〜い。私は家の米が切れると物凄く落ち着かないので、しばらく米の心配をしなくて済むのが嬉しい。
その後師匠は台所で米を研いでいた。
「あ、虫がいるわ」
その一言で私の頭には5年前の悪夢が蘇る。その頃、私は蒸し暑い自室に米を放置していた。一週間後、米を研ごうと袋を開けたら中から羽虫が数匹むあーんと飛び立ったのだ。思い出して一気に憂鬱になる。当時は米につく虫といえばコクゾウムシしか知らなかったので、イモムシみたいのがわらわら孵っていて、羽虫は飛ぶわ米はイモムシの出す糸だらけになってるわを見た時は、恐怖と驚きで大変だったなあ。軽いトラウマになってる。夏の米は冷蔵庫にしまわないと危険です師匠。そして大量に貰ったこの米どうすんだ私。虫が……多分羽虫が飛んだり米が糸引かない限りは普通に食べるだろうけど。